みそ文

ヒーロー長靴

 今回の豪雪ではいろいろとひどい目に遭ったが、個人的には、2月6日の徒歩通勤の帰り道に凍結した路面で転倒して腰を打ったことが最もひどい目だった。
 その痛みはなかなかに強く、寝ていても寝返りをうっても、家で何かをしていても、仕事をしていても、雪かきをしていても、歩いていても、頻繁にうめき声が出てくる痛みで、これは折れてはいないけどヒビくらいは入っているんだろうなあ、と思いながら、手持ちの薬で対処していた。

 できればすぐにでも整形外科を受診して、患部の写真を撮って診察してもらいたいところであったが、仕事のためであれば痛い痛いと思いつつも1時間歩いて通勤することができるのに、整形外科受診のために1時間弱歩く気にはなれず、車で受診するそのためにはまず雪に埋もれた車を掘り出さねばならず、車の前から道路へ続く通路部分の雪かきをせねばならず、しかし道路の除雪もまだされていない状態では、道路に出たところでいつ路上のどこでタイヤが雪に埋もれて滑り動けなくなるかもしれない。普段車で通勤している職場に徒歩で通勤せねばならない状況では、そのための体力気力の温存が必要で、自分の車のお世話は後回しにすることに。

 2月6日の夜に転倒して、そんな毎日を過ごしたあと、2月11日12日の連休でなんとか車を雪の中から掘り出し姿が見える状態にした。雪原状態の駐車場の雪もかかなくてはならないが、駐車場のほぼ中央に位置する私の車から道路までの距離は遠く、自分の車の前だけは雪かきしたものの、そこから先の通路部分の雪が多すぎて道路に出るのはまだまだ無理。

 世の中の道路の除雪が進むのを待ち、駐車場の通路部分が通れる状態になるのを待ち、そうして2月15日に受診した整形外科で「尾骨にひびが入っている」と診断してもらい、やっぱりそうだよね、そんなかんじの痛みだったもの、と思う。尾骨の場合はひびであっても骨折であっても、固定や手術をする部位ではなく、消炎鎮痛剤を使いつつ、回復を待つのが基本とのことで、養生に励むしかない。

 これまで履いていた雪靴ももちろん防水防滑仕様だったが、今回ほどに雪が降り積もり路面が凍結した時には、この雪靴では太刀打ちできない。こういう時には、かつて、冬の北海道(いや、青森か)で借りたことのあるスパイク付きの雪靴がほしい。雪道を歩く時にはスパイクを出して雪面を踏みしめ、建物の中に入るときにはそのスパイクは靴底に折りたたんで収納する。
 普段ならインターネットの通販で買い求めるところであるが、雪で流通が滞り、お届け物が届かない状況ではそれも難しく、実店舗の靴屋さんにて求めてみたら、意外とあっさりと出会えた。「わ。スパイクが付いてる」と喜ぶ私にお店の人は「そのタイプは子ども用にしかないんですよ。おとな用にはないので、サイズさえ合えばぜひ」と勧めてくださる。

 その雪長靴のサイズは23.5cmから24cm、足部分は黒色で、脚部分は青色の地に銀色の稲妻模様。なんとなく何かの戦隊ヒーローっぽいデザイン。足のサイズが大きめの男児を客層に設定した品なのだろう。株式会社ムーンスターのスーパースターというシリーズ。戦隊ヒーローっぽいデザイン部分には、これまでの雪靴でも使っていたフットカバーを重ね着すれば見た目はこれまでと変わらず使える。いい買い物ができた、ほくほくと喜ぶ。

 実際にその雪長靴を履いて徒歩通勤してみたら、それはもう、安定感がこれまでのものとは全然違っていて、これで私は雪面歩行人生に勝った、と確信する。もうこけない。

 しかし、今になって考えてみると、世の中が雪だらけになり、その時すでに1mくらい降り積もった雪道を歩いて通勤した2月6日のあの日、あんなに雪だらけの世の中ならば、これまでの雪靴にアイゼンをつけて歩いたらよかったのではないか、と思う。そうすればうっかり滑って転倒することもなく、腰を打ち付けることもなく、痛い思いをすることもなく済んだかもしれない。うちには夫が山で使うアイゼンがあるのに、借りようと思えば借りられたのに、あの時にはそんなこと全然思いつきもしなかった。歩行を補助するステッキ(杖)だって、雪道用も普通路面用も夫のがあるから借りればよかったのに。その杖を両手に持ってついて歩いても、一本だけ片手に持ってついて歩いても、それでもよかったのに。それだけでもきっと全然違ったはずなのに。

 でも、まあ、結果、こうして、アイゼンの着脱をしなくても済むスパイク付き雪長靴を購入できたからよかったということにしよう。スパイクを出して使わなくても、雪長靴単体としての防滑力がこれまでの雪靴よりもずっとしっかりとしている。雪が少なめで滑りにくい時にはこれまでの雪靴(防水防滑ブーツ)を、雪が多めで滑りやすい時には今回購入した雪長靴を、というふうに使わける。そして補助にステッキを持てばなおよし。安心安全雪道歩行。     押し葉

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どうやらみそ

Author:どうやらみそ
1966年文月生まれ

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