みそ文

甘エビの食べ方

 数日前、夫のPCをふと見たら延々大量の甘エビの殻をむき続ける動画が再生されていた。

「どうしたの? そんなに甘エビ食べたい気分なん?」
「いや、まえに、会社の忘年会で泊まった魚料理民宿のおばちゃんが『甘エビはこうして食べると余すところなく食べられるんや』いうて教えてくれて、おお、ほんまや、すっごい食べやすくておいしい、目からうろこや、と思ったところまではおぼえてるんだけど、その肝心のむき方がどうだったんか思い出せんなあと思ってさがしてるんだけど、出てくるのは甘エビの料理の仕方かこんなんばっかりで思うものが出てこん」
「甘エビねえ、どうやって食べてたかなあ」
「なんとなく、教えてもらったのは、ふつうは頭をちぎってから胴体の殻をむいてしっぽを持って食べるかんじだけど、先にしっぽを取ってから頭を持って食べたほうが頭の中のみそも食べられる、っていう話だったような」
「ほう、なるほど、それはそうかも、みそが食べたいときには。でもこう脚に抱いてる卵はどうするんだろ」
「胴体の殻をむくと一緒に脚が取れて脚を取ったら卵も取れるからなあ、うーん、思い出せんなあ」

 そんな話をして数日後の日曜日に海沿いの魚料理屋さんでお昼ごはんを食べた。夫は豪快海鮮丼というものを注文。豪快海鮮丼には豪快にいろんなお刺身がのっている。甘エビも数匹いる。夫は丼にのる甘エビのしっぽだけを取ってから頭を持ち醤油につけて口に運ぶ。なんというか特段食べやすそうには見えないのだが一応訊いてみる。

「どう? 教えてもらった食べ方はその食べ方だった?」
「うーん、なんかちがう。こんなに口の中で胴体の殻や脚を選り分けるかんじはせんかったと思う。なんかもっと食べやすくてなおかつみそも子も食べられたんだけどなあ」
「目からうろこだったのにねえ」

 甘エビの食べ方を教えてもらった魚料理民宿に食事だけでもしに行って当時食べ方を教えてくれたひとに今一度教えを請うのがいいのかもしれない。     押し葉

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どうやらみそ

Author:どうやらみそ
1966年文月生まれ

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