みそ文

緑茶

広島に帰省したとき、どうやら(夫)の実家の母が、「このお茶おいしいんよ。お父さんが、静岡で買うてきちゃって(買ってこられて)、飲んでみたら、まあ、おいしい、おいしい。みそさんも、よかったら、飲みんさい。」と、お茶の葉の袋を見せてくださる。

「わあ! やったあ。静岡のお茶、おいしいですよねえ。お母さん。このお茶の葉っぱ、さっき買い物で買ってきたミネラルウォーターに泳がせて、水出し緑茶作ってもいいですか?」

「水で緑茶? そんなん、ちゃんとお茶出るん?」

「それが出るんですよ。お湯を沸かして入れるお茶も、もちろんすごく美味しいけど、水に泳がせて、一晩くらい置いて出したお茶も、これまた美味しいんですわ。」

「まあ、わたしゃあ、そんなことしたことないわ。」

「ぜひ。ぜひ。じゃ、さっそく、入れますね。」

と、お茶の袋を開けてみる。ふうわりと、お茶の香りがたちのぼる。お茶の葉は、美しい小さな針金状。2リットルのペットボトルに、「これくらいかな」と入れてみる。それを見た夫が、「うーん。もう少し入れたほうがいいと思う。」と言うので、「じゃあ、もう少し。」と追加してみる。蓋をして、気持ちかるーく、わっしわっし、とゆさぶって、冷蔵庫へ。

数時間後、「出具合はどうかなあ。」と言いながら冷蔵庫を開けてみる。適度に葉っぱが広がって、いいかんじに泳いでる。

「まあ、ほんまじゃ。お茶が出ようるが。ちょっと味見してみようっと。」と、母が湯飲みを取り出す。

夫が、「明日まで待ちんさいや。色は少し出とっても、味はまだ出てないんじゃけん。」と忠告するが、母は、「ちょびっとだけ。味見。味見。」と、とくとくと、湯飲みに注いで飲んでみて、「ありゃあ。ほんまじゃねえ。これは美味しいわ。水なのに、お茶の香りもちゃんとするねえ。もっと時間を置いたら、もっと味と香りが出るね。明日の朝に飲むのが楽しみじゃが。」と、えらく気に入った様子。「水でお茶が出せるなんて、知らんかったけん、いっぺんもしたことがなかった。これなら暑いときに熱いお湯を沸かさんでも飲めてええねえ。」とも。

「出すのに時間はかかるけど、放っときゃあええのがええんですよ。」

「ほんまじゃねえ。もう一本の買ってきた水にもお茶の葉入れて作っとこうか?」

「いやいや。おかあさん。それは、先にこっちを、飲み始めてからでええでしょう。」

「ほうじゃろうか。すぐに飲んでしもうてなくなりそうじゃが。」

「あんまり長く置きすぎんほうが、すっきり美味しい思うんですよ。まあ、おいおい、いろいろやってみてください。」

「うん。そうするわ。こりゃあ、ええことを教えてもろうた。」

そして翌日。

「どうでした? お茶、味、出てました?」と、母に尋ねてみたら、「おいしい! おいしい! 一晩置いたのが、ちょうど飲み頃! お茶の緑色も、水だときれいなままなんじゃねえ。」

「でしょう。きれいですよね。」

嫁姑。緑茶でしあわせな夏の日。
静岡緑茶。静岡から遠く離れた広島でも、いい仕事、してます。     押し葉

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どうやらみそ

Author:どうやらみそ
1966年文月生まれ

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