みそ文

お墓参りのそのあとに

何年か前の夏、実家に帰省したときに、お墓参りにでかけた。夫と私と、甥っ子のむむぎーと、姪っ子のみみがーと、私の弟が車を運転してくれて、お墓のある山へ向かう。お花を飾って、お線香たいて、手を合わせる。お墓参りを終えて帰宅する。それぞれが、手を洗ったり、トイレに行ったり、お仏壇に参ったりする。

実家の廊下を歩きながら、小さい人をからかうことを愉しむ癖がある夫が、みみがーに向かって言う。
「うわ! みみがーさん! たいへんじゃ。背中になんか憑いとる!」

みみは怯えて、自分の背中に手を回しながら、くるくるまわる。
「えーっ? なにがー? どこ? ここ?」

「うーん。みみがーさんの背中の真ん中らへん。残念じゃけど、みみがーさんの手じゃあ、たわん(届かん)わあ。」
「えー! いやー! とってやー。なにがついとるん? ねえ、なに?」
「うーん。たぶん、ここの家のお祖母さん、みみがーさんの曾お祖母さん。」
「どうやらさんー。とってよー。とってー。」
「うーん。だめじゃ。とれんわ。残念じゃけど。たいへんじゃあ。どうする?」
と無責任につぶやいて(つぶやいたふりをして)、夫はすたすたと居間に向かって去ってゆく。

みみがーが大慌てで、私のところに来て訴える。
「みそちゃん! どうやらさんが、みみのせなかに、ひいばあちゃんがついとるゆう(言う)。こわいけん、とって!」
「みみー、何ようるんねー(何言ってるの)? ひいばあちゃんは、みみのこと、護ってくれてんじゃけん、大丈夫じゃわいね。」
「えー、でも、ついとるんじゃろ? こわくないん?」
「怖くないわいねー。みみのひいばあちゃん、なんじゃけん。みそちゃんのおばあちゃん、なんじゃけん。」
「ほんまに、こわいことせんのん?」
「大丈夫。ひいばあちゃんも他のご先祖様たちも、みんな、私らのことを護ってくれて(くださる)んじゃけん。」
「どうやってまもってくれてん?」
「んー、例えばね、みみが走って転んでね、大怪我しそうになったときに、ふわっと護ってくれちゃって(くださって)、大怪我じゃなくて、小さな怪我で済んだりね。あんまり痛くなかったりね。それとか、私らにとって、必要なものや大切なものが見つかるように、導いてくれちゃったりするんよ。」
「えー、そうなん? じゃあ、みみのせなかに、ひいばあちゃん、ついとってもええん?」
「そうよ。ついてくれとってん方がいいんよ。ほんでね(それでね)、あー、今護ってもらったなー、ってときには、ちゃんとありがとうございます、ってお礼をゆうんよ。お仏壇やお墓にお参りするときには、普段言い忘れてるお礼を、まとめていっぱいゆうてもええんよ。」
「へー。そうなんじゃー。じゃあ、こわくないんじゃねー。このままでええんじゃ。どうやらさんにおしえてあげてくる!」
みみがーは嬉しそうに、居間に向かって走り去る。

なかなかに、お盆らしい出来事。     押し葉

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どうやらみそ

Author:どうやらみそ
1966年文月生まれ

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