みそ文

大きな予定は一日ひとつ

 休日。大きな予定は一日ひとつ、を信条(あくまでも信条。複数の用事をしてはならないわけではなく、複数の何かをした場合にはきちんと自分の労をねぎらえばそれでよいことになっている)に暮らしている私にしては珍しく複数予定をこなした。まずは三月末に購入した車の六ヶ月点検。六ヶ月点検を今日行ってもらうことは以前から決めてあり代車の手配も依頼済みなのだが、何時頃持ち込むかについては当日になってから相談ということにしていたため、まずはその相談の電話をする。十二時過ぎから十二時半頃に持っていきます、ということに決まり、その時間に合わせて代車の準備をしてもらえることになる。

 それからカイロプラクテックの予約を行う。いつもかける予約用の一般電話番号にかけると「お客様がおかけになった電話番号はなんらかの事情により現在お繋ぎすることができません」という意味の案内が流れる。あらまあ、どうしたのかしら、廃業なさってたらどうしましょう、と思いつつ、登録電話番号の中からカイロプラクテック屋さんの携帯電話番号に電話をかける。なんの問題もなくあっさりとつながり午後一時の予約を取る。「実は今電話する前にいつもの一般の電話番号にかけたんですけど繋がらないと言われまして、携帯にかけさせてもらいました」と伝えると整体師さんが「そうなんですか、わかりました、確認してみます」と言われる。うちのインターホンの呼び鈴がなる。

「お忙しいところおそれいります。メットライフアリコのなになにと申しますが、一軒ずつご挨拶に回らせてもらっておりまして」
「そうですか、ご苦労さまです、でもうちはすでにもう広島にいた頃からずっとアリコさんにはお世話になっているんです」
「ああ、そうなんですか、こちらでの担当者は誰が。それともインターネットかなにかで」
「いえいえ、実家が広島なんですけれど、広島にいた頃からお世話になっている保険会社の担当さんにそのままずっと引き継いでもらって電話や郵便でサポートしてもらっているんです」
「ああ、そうでしたか、では今後ともメットライフアリコをよろしくお願いいたします」
「はい、こちらこそ」

 十二時を少し過ぎて車に乗って出かける。明日の夜から県外の山に車中泊と山小屋泊で出かける夫が「木曜日のうちにガソリンを満タンに入れておいてもらえるとうれしいです」と言っていたからガソリンを満タンにする。夫の趣味に協力的な妻の愛に満足する。

 ディーラーさんに車を持っていく。先週の時点で担当者の人には事前に電話で点検以外にも見てもらいたい箇所があることは伝えてある。一点はバックモニターがときどき映らず真っ黒な画面で表示される不具合について。もう一点はエアコン始動時にちょっと悲しい気分になるにおいがすることについて。どんなにおいかというと、カビ臭いといえばカビ臭いような、獣臭いといえば獣臭いような、そんなにおい。

 車を持って行き駐車場にバックで駐車しようとしたときにバックモニターが真っ暗表示になった。おお、これこれ、これを見てもらいたかったのよ、と思い、その表示が出た状態のまま、エンジンをつけたまま、受付に向かう。受付の人が「どうやらさまですね、ただ今代車のご用意をいたします」と言う。

「その前に、点検以外に見ていただきたいとお願いしていた不具合が、今ちょうどそうなっている状態なので、それを見ていただきたいんですが、お願いできますか」
「点検以外になにか伺っておりましたでしょうか」
「はい、担当の方にはお電話でお話してあるのですが、バックモニターが映らないことがあるということと、エアコンの始動時にへんなにおいがするのを一緒に見ていただけたらと思いまして、その時間も加味するとけっこうかかるだろうと代車をお願いしたのですが」
「そうだったのですか。申し訳ございません。どうやら様の点検シートにその記録がないものですから。本当にすみません。すぐに工場の者に伝えます」

 受付の人は受付からそのまま内部通路を通って工場の人に連絡に行く。私は外に出て自分の車の側で待つ。工場の人が私の車のバックモニターを見て「本当だ。映っていないですね。頻繁にこんなふうになりますか」と聞かれる。「そうですねえ、十回に三回といったかんじでしょうか」と答えると「それは多いですね」と言われるが「点検中の簡単な確認で直せればいいのですが、もしそれで直らない場合は原因を調べるのに少しお時間をいただきたいので、今日は点検のみで不具合な点については後日あらためて見させてもらうという形にさせてもらいたいんです」と続けられる。

「バックモニター以外、エアコンのにおいも気になるので一緒に見ていただけますか」
「どんなにおいがしますか」
「カビのような、といいますか、獣のような、といいますか」
「そうですか。わかりました。では、代車をお持ちいたしますので、しばらく中でお待ちください」

 店内の椅子にかけるとお店の方が「よろしければ何かお飲み物はいかがですか」と無料ドリンクのメニューを持ってきてくださる。暑かったからありがたく「ではカルピスをください」とお願いしてごくごくといただく。しばらくすると受付の人が「代車はご用意していたのですが、ガソリンがほとんどない状態で、本当にすみません、すぐに給油して参りますので、今しばらくお待ちいただけますでしょうか」と言う。「はい、お願いします」と言ってからしばらく待つ。十二時半を十分程度過ぎてからガソリンの入った代車を借りてお店をあとにする。

 一時のカイロの予約にちょうどいい時間になったな、と思いながら運転する。カイロ屋さんでは整体師さんが「電話の件、ありがとうございました。電話料金の引き落とし用のお金が足りなかったらしくて止められていました。すぐにお金を入れて無事につながりました」と言われ、私は「廃業でなくて安心しました」と応える。施術のあとで整体師さんが「いや、本当に助かりました、うちの嫁さんにバレる前に教えてもらえて。うちの嫁にバレた日にはもう稲川淳二の恐怖体験なんて目じゃないほどの恐怖がやってきますから。もう人格の全否定にまで至りますからね。『職業人としてそんなことでいいと思ってるの』とネバーエンディングで責められるんです」と言われるが、個人商いをしていて商い専用の電話が繋がらないというのはたしかに職業人としていかがなものかかもしれないと内心整体師さんの奥様の肩を持ちながら「よかったよかった。ありがとうございました」と挨拶して帰る。

 帰り道の運転をしていると携帯電話にディーラーさんからの電話が鳴る。運転中で取れなかったけれど、そして電話に出ないときにはメッセージを入れてくださいとお願いしておいたメッセージは入っていなかったけれど、点検が終わった連絡だろうと理解してそのままディーラーさんのところに戻る。

 点検は走行に必要な部分については異常なく無事完了。エアコンの異臭については一度時間をかけてエアコンフィルターの洗浄と清掃を行いたいので後日あらためて時間をもらいたい、ということ。バックモニターについてもすぐには原因がわからなかったのでこれもエアコンと合わせて後日一泊二日で預かって対応したい、とのこと。走行が六千キロを超えているので一度オイル交換もしておきたいがどうだろうか、と言われるので、新車購入時にいただいたオイル交換券を使ってのオイル交換をこれもエアコンとバックモニターの調整の時に合わせてお願いすることになる。

「今週の土曜日曜のお預かりですと代車のご用意が可能なのですが」
「ああ、それが、明日の金曜日から月曜日までは車を使う予定がありまして、月曜日の夕方以降で可能な日程を教えて下さい」
「はい、それでしたら、来週の木曜金曜か、金曜土曜、ではいかがでしょうか」
「えーと、では、来週の木曜日のお昼前後に車を持ってきまして、金曜日の夜に私の仕事が早く終われば金曜日の夜のうちに、もし金曜日に来れないときにはそのまま翌日まで預かっていただいて、土曜日のお昼前後もしくは夜に取りに来る、という形でもいいでしょうか」
「はい、承知しました」

 連休のうちに不具合の調整を済ませてしまえるとラクなところだけれども、夫が車を使いたい予定を忘れず思い出し続けてスケジュールの調整をした妻の愛に今一度満足する。

 六ヶ月点検を終えた車に乗って帰宅。このあとは故障したノートパソコンの梱包と発送の作業を行う。ダンボール箱に新聞紙を丸めて入れてノートパソコンとアダプターを入れ隙間に新聞紙をつめてガムテープで封をする。

 梱包作業を完成させて玄関に置いて待機する。送料のお金も玄関の鍵置き場のお皿の上に待機。生協さんの配達物を冷蔵庫に入れるものと常温で保管するものとそれぞれ片付ける。よしよし、ひととおり片付いたわ、と思いながら本日の洗濯第二弾に入ってしばらくするとクロネコさんが登場。まずは受取荷物を受け取る。受取印鑑よし。それから集荷してもらう荷物を手渡す。「100サイズでいけるかなーと思うのですが」と言うとクロネコさんは「はい、確認してみますね」とメジャーを出して手早く採寸し「はい、100ですね」。事前にパソコンから依頼していた送り状を持ってきてくださっていてそれを箱の上に貼り付けて機械でスキャンして会計。控えの伝票をもらって「よろしくお願いします」と見送った直後、あれ、そういえば配達時間の指定をしてないけれど、パソコン修理のお店のサイトに「午前中指定で送ってください」と書いてあったような気がする、と思い、クロネコさんをおいかける。クロネコさんは私の荷物を持ったまま車の後部扉を開けて車の中に入ったところ。荷物が載せてある後部からクロネコさんは車内を徒歩で運転席まで移動する。そうかー、クロネコさんの配達用の車の車内は運転席から荷台部分に歩いて移動でいる構造なのねー、そりゃそうかー、素早く配達作業をしようと思ったらいちいち運転席から出て後部扉を開けてってするよりも、運転席から荷台に移動して荷物を取って後部扉から出ていくほうが早いよなー、荷物を積み込むときも積み込んでいったん後部扉を閉めてから運転席ドアをあけるよりも、荷物を整理して置いてそのまま車内で運転席に移動できたらそのほうがいいよねー、と感心しながら、助手席の窓の外から「クロネコさーん、すみませーん」と声をかける。

「はい、なんでしょう」
「今お願いした荷物、時間指定してなかったんですけど、午前指定でお願いします」
「はい、午前ですね、わかりました」
「ありがとうございます。よろしくお願いします」

 クロネコドライバーさんは荷物のところに戻ってペンで午前に印を入れる。私は自分の控え伝票に自分で午前に印を入れる。パソコン修理屋さんに「修理をお願いするパソコンを発送しました。伝票番号は下記のとおりです。到着しましたらよろしくお願いします」のメールを送る。そしてついでに「たしか午前着指定するようにって発送の仕方の指示のところかどこかに書いてあったよなー」と思ってそのお店のサイトを見るが、不思議なことにどこにもそんな指示がない。あれー。あれー。わざわざ午前指定のお願いをしに行かなくてもよかったのかしらー。まあいいけど。

 洗濯物を取り込んで洗濯物第二弾を干す。取り込んだ洗濯物をたたんでいたらインターホンが鳴る。

「お忙しいところおそれいります。メットライフアリコのなになにと申しますが、一軒ずつご挨拶に回らせてもらっておりまして」
「えーと、あの、もしかして、お昼ごろにも一度来てくださった方ですか」
「あれ、ああ、あれ、す、すみません、たしかにこちらには訪問済みの記録が。失礼いたしました」
「いえいえ、お疲れ様です、では失礼いたします」

 私もディーラーさんも整体師さんもクロネコさんもアリコさんもそれぞれによくがんばった一日であったなあということで。     押し葉

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どうやらみそ

Author:どうやらみそ
1966年文月生まれ

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