みそ文

梅おにぎりで心臓を丈夫に保つ

 今朝起きて、いつものように紅茶豆乳を飲み漢方薬とサプリメントを飲み、さて朝ごはんをいただきましょう、と炊飯器のふたをあけて、おうっ、おおうっ、ご飯が炊けてないっ、と気づく。昨夜炊飯器のタイマーをセットしたとき朝六時に合わせたつもりが夕方六時(18時)に合わせたらしい。生のお米が水に浸る。ご飯がないならパンを食べればいいじゃない、と言いたいところだが今朝は買い置きのパンがない。冷凍ご飯はあるにはあるが、今日のお弁当は炊きたてご飯の真ん中に梅干しを入れた塩むすびを作るのだ、おー、と昨夜決意したその決意の変更がきかない。まあ、まだ出勤まで時間はあることだし、炊き直しましょうよ、と自分に声をかける。

 早く炊くならガスレンジだよね、と、ガスレンジ用炊飯鍋を取り出す。電気炊飯器のお釜の中のお米と水をガスレンジ用炊飯鍋に移す。そこでふと、あ、そうか、朝ごはんに食べるぶんだけガスレンジで炊いてお弁当用のご飯は電気炊飯器で炊いたら、全部のお米をガスレンジで炊くよりも、朝ごはん用のご飯は早く炊けて、朝ごはんを食べている間にお昼ご飯用のご飯が炊けて、食事が終わったところで炊きたてのご飯をおにぎりにしたらいいのではないかしら、あら、いい考え、と思う。

 では、と、ガスレンジ用炊飯鍋の中のお米のうち三分の二の量はこれくらいかなあという量を電気炊飯器のお釜に戻す。電気炊飯器の水の分量は一合弱、ガスレンジ用炊飯鍋の水の分量は半合弱。よーし、炊飯だー。ガスレンジは火を点けたら「炊飯、洗米おき」のボタンを押す。電気炊飯器のほうはいつもどおり「極上炊き」設定のまま炊飯スイッチを押す。電気炊飯器の表示には残り時間四十分と表示される。この四十分は蒸らし時間も込みの時間。

 ガスレンジでの炊飯は早い。一合以下なら五分前後。その後蒸らしの時間を入れても十五分前後。先にグリルで焼いておいたシシャモをシシャモだけで食べる。ううむ、シシャモを焼き過ぎるのはよろしくないわね、今夜焼く予定の残りのシシャモは焼き過ぎずふんわりかりっと仕上げよう。シシャモのお腹の中の卵をたっぷり食べたあとだけど、今朝は目玉焼きも食べようと思っていたから目玉焼きを焼く。白身は白く焼けたけど黄身はまだまだ生だなー、という段階でフライパンの火を消してあとは余熱で焼けるのを待つ。その待ち時間がちょうどご飯が炊き上がって蒸らし終わるまでの時間くらいかなあ、と思いつつ白菜の漬物を用意する。

 ガスレンジの炊飯仕事が終わったよと知らせる音がなる。炊飯開始からの所要時間は六分三十秒くらいだろうか。そこで梅とちりめんと青菜のふりかけを炊き上がったばかりのご飯に混ぜこむ。しばらく蒸らす。十分前後経ったかな、なあたりでお茶碗にご飯をよそう。ふりかけがご飯の蒸気でやわらかくほぐれて彩りも美しくおいしそう。お皿にのせた白菜の漬物の横に目玉焼きを置く。堅焼きではない程度ででもとろとろの部分はない程度に上手に柔らかく焼けた。濃い目に入れた緑茶を飲んで、くう、おいしい、と思ってから、ホクホクご飯と目玉焼きと白菜のお漬物を食べる。その間に電気炊飯器が熱心に働く。

 朝食を終え、ごちそうさまでしたと手を合わせ、緑茶をまた飲み、くう、おいしい、と思う。食洗機に入らない大きめの洗い物だけしておこうかなと洗い物をする。お弁当に持って行くつもりのたくあんを必要なだけ包丁で切る。黄色いたくあんをサランラップに包む。電気炊飯器がご飯が炊きあがりましたよの音を鳴らす。ああ、ちょうどいい時間だわ。

 最近はたまにおにぎりを握るときにはサランラップを置いたお茶碗にご飯を入れて塩をかけてラップごと握ることが多かったけど、今日は素手に水と塩をつけて握りたい気分だからそうする。梅干しは我が家で2007年に漬けたもの。梅干し一個の種を外して梅の実を三等分にちぎる。ご飯もしゃもじでだいたいなんとなく三分割に線を引く。ボウルの水で手を濡らして、小さなお皿にのせた粗塩を両手のひらにつける。ご飯を手のひらにのせる。あつ、あつ、でもだいじょうぶ。ご飯の中央にくぼみをつけて梅干しを置く。まわりのご飯で梅干しを隠すようにして三角おにぎりに形成する。できあがったおにぎりには海苔を三角の三辺から包むようにはりつける。みっつのおにぎりをアルミホイルに並べてもう少し冷めたら包みましょう、と他の出勤支度をする。お昼ごはん用には今日は渋めの緑茶を保温マグボトルに。勤務中の水分補給にはペットボトルになたまめ茶を。

 すべての支度が整い家を出る。私の車はうちのマンション前の専用駐車場から少しだけ離れた民間駐車場に駐めてある。その駐車場からは我が家を含めうちのマンションのベランダが見える。今日はいいお天気だからか皆さん景気よく洗濯物やお布団を外に干しておいでだわねえ。あら、うちのベランダの手すりに布団が干してあるわ。ええと、昨夜私が使った掛ふとんはベランダではなくてサンルームに干して除湿機と扇風機をあてて出てきたよね。ということはあのベランダの手すりのお布団はどの布団をどこの誰が親切に干してくれたのかしら。夫は月曜日から今日まで出張で不在だから夫ってことはないね。他に我が家にいるメンバーといえば。

 はあううっ。あの布団は私が少し前まで使っていた冬の掛け布団だ。少し前に掛け布団を薄手のものにかえた。そのときにそれまで使っていた冬用の厚手の掛け布団は今度干してから片づけましょうと思った。それを干したのは、昨日の、午後の、私だ!! 昨日の午後干して今朝の今まで忘れていた。昨夜一晩中我が家のベランダの手すりにはあの布団がかかっていたということなのか。

 車の助手席に荷物を置いて時計を見る。一度家に戻り布団を取り込む時間は、ある。駐車場から自宅に駆け戻る。玄関を開けてベランダに出て布団を取り込む。うわー、ふかふかー。そのまま押入れに置いてすぐさま玄関を出る。

 通常であれば誰よりも早く職場に着き鍵を持つ同僚が出勤するのを待ちつつ職場周辺のゴミ拾いなどするのだけれども、今日はもう他の人達が先に来て開店前の掃除を始めていた。私は「おはようございます、すみません、遅くなりました」と挨拶する。同僚たちは「おはようございます、だいじょうぶ、まだまだ始業時間前ですよー」と言いながら掃除を続ける。私もすぐに白衣に着替えて台拭きを濡らして拭き掃除を始める。

 ひと通り掃除を終え台拭きを水洗いしている時同僚に「さっきさあ出勤しましょうと思って車のところまで来たらうちのベランダの手すりに布団が干してあるのが見えて、あらまあ親切に誰が干してくれたのかしら、と思ったら、その親切な人は昨日の私だったんです。昨日の夜はベランダの手すりに布団を干したままで一晩眠ったみたいで。慌てて戻って取り込んで、ちょっと遅くなっちゃいました。ああ、びっくりしたー、お布団がベランダにあったことにも、自分がひと晩それを忘れていたことにも」と話す。同僚たちは「うわー、昨日の夜雨降らなくてよかったねえ」と笑う。「ほんとうにびっくりしましたー」と言う私に同僚は「昨日の夜寝るのに布団がなくて困るとかはなかったってことなんやね?」と問う。

「はい、干していたのは冬のお布団で、いまはもう使ってないから、それがなくても寝られたのがいかんかったですねえ」
「ああ、私も、布団じゃないけど、毛布なら、ある」
「毛布、ですか」
「そう。冬が終わってそろそろ洗って片づけましょうと思って、洗って二階のベランダに干したんやねえ。そのことをずっと忘れてて、寝室で夜カーテン閉めてて『あれ、ベランダに毛布がある、いつからだ、洗ったのはいつだったっけ、昨日じゃない、一昨日じゃない、三日前、四日前、それすら思い出せない、うわーっ』と思って慌てて取り込んだことがある」
「えーとそれは」
「もちろん洗いなおしたよー」

 もうひとりの同僚は「私はまだ布団関係ではないなあ。でも、ああ、もうじぶんダメやわ、と思ったのは、仕事帰りに車で寄ったスーパーで買い物してそのまま歩いて帰ったとき」と話す。

「そ、それは、なにゆえ」
「ほら、うちからスーパーは近いからさ、普段家から行くときには歩きなのね、それでなんとなくその習慣なんかなあ、仕事帰りのときには車に乗って行ったのに買い物してる間にじぶんが車で来たことを忘れたらしくて」
「うわー、どこで気づいたんですか」
「うちの玄関。家に帰ったら私の車がなくて、ああ、なんかダンナが私の車が必要なことでもあって使っているのかしら、と思いながら、あれ、でもそういえばダンナの車もないよな、うちの子はふたりともまだ運転年齢じゃないよね、と思いつつ玄関に入って、わーっ、スーパーの駐車場に車忘れて帰ってきてもうたーって」
「それで、またスーパーまで車取りに行かれたんですか」
「うん。玄関で子どもたちに『あんたたち、この袋の中身、冷蔵庫に入れるもの入れといて』っておもむろに言いつけて、外に出て、てくてく、と」
「うっ、ううっ、と涙をぬぐいつつですか」
「そうよー、うっ、ううっ、だったよー」

 これからまた大きくなると今朝のお米やお布団よりもさらに思いがけない驚きに遭遇するのかもしれないな。心臓を丈夫に保つようこころがけようっと。     押し葉

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どうやらみそ

Author:どうやらみそ
1966年文月生まれ

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