みそ文

ツボのスイッチ

 『神は細部に宿る』はなしの中で、そういえば夫は両目をみよーんと伸ばしたあとに、私が王様だということだけではなくて、「どうせ、みそきちは、自分に興味がないことはどうでもいいんじゃろ」ということも言っていた。

「それは、たいてい、誰でもそうなんじゃないかなあ? 人はそれぞれ自分の興味のあることに目が行く体が行く気持ちが行くようになってるんだと思うよ。それはたしかに、場合によっては、自分がわくわくうきうきとすごくそうしたいわけではないけど、総合的に判断して自分がそうするのが適切で適正なことに関しては、興味がなくても、どうでもいいこととして放置せずに、その任を負うことはある。でもそれは、俯瞰したときや突き詰めた時に結局自分にとってもなんらかのオトクがどこかにあるからそうするんだと思う。人はそうするほうが美しく道に適っていると感じる自分の判断基準に合格するのが気持ちいいからそうする、自分以外の誰かが喜ぶ快楽に身を委ねるべくそうする、というようなものも含めて。本人が自覚して意識しているかどうかは別にしてかもしれないけど。それにさ、どうやらくんも自分が興味のないことはどうでもいいというかそもそも見えないことはいっぱいあるじゃん」
「なに、それ、いっぱいとか失礼な。たとえば?」
「私は自分の髪の毛は長くて目立つけんもちろんだけど、どうやらくんの脛毛が落ちてるのは見えるし気になるから掃除するじゃん。でもどうやらくんは私の髪の毛は見つけて拾って『まったくもう』な風情で捨てるけど、自分の脛毛には気付かんじゃん。そこにあっても拾って捨てることもその除去のために掃除することもないじゃん。自分の脛毛に対して甘いというかどうでもいいけんなんじゃろ。まあ脛毛が多いのは仕方ないとは思うんよ、そういう身体なんじゃし。でもその落下したものをほうっておくのがいいかどうかというとどうじゃろうか。その脛毛を放置することで、その脛毛に寄ってくる埃に私の身体が反応して痒いよー鼻水が出るよー咳が出るよー苦しいよーになることは、そうやって妻が苦しい思いをすることは、どうやらくんにとって本望なんかな、それともどうでもいいことなんかな」
「ああああ、いらんスイッチを押してしもうた、いかんいかん、また芋づる式によからぬものが出てきちゃあいけんけん、停止ボタン、ぽんっ、クリアスイッチ、オン。とまれー、とまるんだー」

 気になるツボは人それぞれ。     押し葉

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どうやらみそ

Author:どうやらみそ
1966年文月生まれ

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