みそ文

座敷でよもぎシャーベット

 落語を見終えてまた高速道路に乗って帰る。夕ごはんはどうしようかと相談する。久しぶりにお気に入りの割烹はどうだろうか、いいね、それいい、そうしよう。

「風呂の日でバイキングが通常3800円のところが2600円でも私にはあまり魅力がないけど、落語のあとにあそこ(お気に入りの割烹)で菜っ葉の煮物や里芋煮っころがしが食べられるのはすごい魅力がある」
「バイキングはなあ、元を取るほど食べてこその満足感なとこがあるからなあ」

 そうして自宅近くのインターチェンジをおりたところで夫が「携帯にお店の電話番号入ってる?」と私に訊く。「うん、入ってるよ、予約しようか」「お願いします」

 お店に電話をかけて「三十分後くらいに大人二名座席予約できますでしょうか」と尋ねる。「もしかするとお二階の座敷になるかもですがいいですか」と言われるが、それがうまく聞き取れなくて「え、すみません、もう一度」と問い返す。もう一度同じことを言ってくださったあと「どうやらさん、ですよね? いつもカウンターご利用ですけど二階の座敷でもかまいませんか」と重ねて言われる。「ああ、はい、どうやらです、こんにちは。席はもちろんどこでも大丈夫です。よろしくお願いします」と電話を切る。

「すごいね。名乗ってないのにどうやらさんでしょ、って言われたよ」
「それはすごいな。そんなにしょっちゅう電話予約するわけじゃないのに」
「あそこの大将さん、特殊な聴覚があるんかもしれんね。料理人として特別な味覚は持ってはるとは思ってたけど」

 お店の近くの民間駐車場に車を駐めて少し歩く。お店に入ると二階の座敷へどうぞと案内される。ここのアルバイトさんは皆大学生くらいの年代の若者で、調理師学校の生徒さんかなにかなのか、それとも飲食業に関係のない学生さんなのか、どちらにしてもよく教育されているなあ、と感心することが多い。

 卓に向い合って夫と座る。夫は生ビールを、私は炭酸水を注文する。つきだしは里芋煮付け。注文したのは御刺身の盛合せと、季節の菜っ葉煮(おかひじきと厚揚げの煮物だった。おかひじきがシャキシャキ)、バイ貝の煮付け、アジフライ、揚げ出し豆腐、鳥の照り焼き山椒風味、シャーベットは柚子とヨモギ。このヨモギがたいへんに蓬よもぎしていて、ああ、よもぎ、くう、よもぎ。

 この食事中の会話に出てきた「神は細部に宿る」話を書きたいのだけれど、なかなか辿り着かないなあ、とりあえず今日はここまで。     押し葉

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どうやらみそ

Author:どうやらみそ
1966年文月生まれ

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