みそ文

胸毛の処理は必要か

 外国のお客様がご来店くださったときのこと。トルコの方かなあ、イランの方かなあ、と思うような外見の男性の方で、お年の頃は二十代から四十代くらいだろうか。
 そのお客様はわたしたち店員に話すときには、大半は日本語でときどき英語で話される。ただ店内にいらっしゃるときに、ときどきその人の携帯電話に電話がかかってきて、その電話に出て話されるときの言葉は、トルコ語よりもペルシャ語っぽく聞こえるなあ、と思っていたのだけれども、ほんとうのところはどうだったのかわからない。

 そのお客様がある日わたしに、「レーザー、どこですか、毛を、なく、する、やつ」とお尋ねくださる。レーザーの発音がlaserに聞こえたけれど、店内での取り扱いはrazor(かみそり)のほうしかないから、ええいっと強引に男性用カミソリコーナーにご案内してみる。
 しかし、やはりお客様は「これじゃなくて、光のピストルみたいなの、ないですか。razor じゃなくて laser」とおっしゃる。
 やっぱりなあ、そうだよなあ、と思いつつ、白衣のポケットに入れているメモ用紙を取り出してボールペンで「laser」と書き、「お求めなのは、laser、こちらでしょうか」とおたずねする。
 そのお客様は、「そうそう、それそれ」と大きく頷いてから、「ぼくは、胸の毛が、たくさん、ありますね。少なくしたい。レーザー、どこにありますか?」と言われる。
 「レーザーは、電気、を使う道具ですから、電気屋さん、に行って、きいてみて、いただけますか」とお伝えする。
 「電気屋さん、名前、なんていう?」と訊かれて、「そうですねえ、コジマさんですとか、ケーズデンキさん、ヤマダデンキさん、などでしょうか」と言いながら、さきほどのメモ用紙に「コジマ、ケーズデンキ、ヤマダデンキ」などと書いてお渡しする。
 お客様は「ああ、わかりました。そうですね。電気ですね。行ってみます」と言いながら、他の物をレジでお買い上げくださる。

 レーザー脱毛除毛器の機能が胸毛にも対応しているかどうかの知識はまったくないのだけれど、あとのことは電気屋さんにお任せすることにしようと、そう決めて、「ありがとうございました」とお辞儀をしてお見送りする。     押し葉

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どうやらみそ

Author:どうやらみそ
1966年文月生まれ

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