みそ文

お客様のお名前は

 妹夫婦がうちに来たとき、到着したのがもうわりかし夕方遅い時間だったから、では、まずは、明日の朝ごはん用のパンをおいしいパン屋さんで買いましょう、とパンを買いに行き、そのパンをいったん家に持ち帰り、冷蔵が必要なものは冷蔵庫へ、常温でよいものは涼しい部屋で保存する。
 そうしてから、夕ごはんに回転寿司を食べに行きましょう、と、いうことに。前回二年前に二人が来たときにも一緒に行って、たいそう満足したお店へと向かう。

 お店に行ってみると、その日は回転寿司な気分の人が多かったのか、順番待ちのお客さんが待合椅子に座って待っている。でも、そんなに多くはないし、店内を見る感じでは、片付けさえすれば空くテーブルもカウンターもたくさんありそうだったから、待ち順リストに名前を書いて待つことにする。

 義弟(妹の夫)が、レジ前のリストに名前と人数と希望の席の種類を書き込む。希望の席は「空いたところどこでも」。人数はおとな三人(義弟と妹と私)。名前は「ドテラ」。「どてら」は、妹とわたしの旧姓。

 妹が「今ここにいる三人の中に、苗字がドテラの人間は一人もおらんのにね」と言う。義弟は「いいじゃん。このメンバーが共通して反応する名前なんじゃけん」と言う。わたしは「うん。いいと思う。うちもね、どうやらくんと二人で来るときには、ふたりとも苗字ドウヤラなんだけど、こういう呼び出し用のお客様の名前のところには、いつも、ドテラ、って書くん」と話す。

 妹と義弟が「ええっ、この三人ならドテラもありかもしれんけど」「うちで二人で行く時にはちゃんとモリオカって書くよ」と言う。
 わたしは「だってね、ドウヤラって書いてもね、ドウヤラっていう苗字自体がちょっとめずらしいけん、どこのお店の人も、え? ド、ド、ドドドドッ? って混乱して、ちゃんと名前を読んで呼んでもらえたためしがないんよ。その点、ドテラ、って書いておけば、まあ、そう同じ名前の人と一緒にはならないけど、読むのも呼ぶのも問題ないのがちょうどいい名前なんよ。じゃけん、どうやらくんもわたしも、書くときには、迷わず、ドテラ、って書くん」と話す。

 それにしても、「どてら以外のところに行きたい」と願って出かけた旅先で、人生一度も「どてら」姓になったことがないにもかかわらず、自ら率先して「どてら」を名乗る義弟の「どてら度」はもはや相当に高いと言えるであろう。仕事とはいえ、さすがに毎日「どてら(妹とわたしの実家)」に通っているだけのことはあるなあ。     押し葉

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どうやらみそ

Author:どうやらみそ
1966年文月生まれ

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