みそ文

バナナと夫とお遊戯を

昨日の「とんでったバナナ」の歌のことを、夫にきいてみたところ、「ああ、知ってる、知ってる。バナナが一本ありました、なんとかなんとかなんとかで、いうやつやろ」と言う。夫は歌を再現するときに歌詞を音階にのせない。何かを朗読するかのように、いや、朗読よりも抑揚なく、淡々と歌詞をつぶやく。

「そう、それなんだけど、あの歌、一番から六番まであるって、知ってた?」
「知らんけど、最後は船長さんが食べるんやろ?」
「わあ、それ、知ってるんだ。わたしは、一番でバナナを子どもが取りあいこするところと、五番のワニとバナナが踊るところしか知らなかった」
「ワニがバナナと踊るのは、へんやろ」
「へんでも、そういう歌なんじゃけん。最後は、もぐもぐもぐもぐ食べちゃった、っていう歌詞らしい」
「そこは知ってる。もぐもぐもぐもぐ、いうところはおぼえてるわ」
「そうなんや。なんで、わたしは一番と五番で完結してたんじゃろうねえ。あ、でね、一番と二番の間や、二番や三番の間にくる間奏のところはね、歌詞には載ってないんだけど、ばななーん、ばななーん、ばななーん、ばななーん、って歌うのは知ってる?」
「知らん。そんなん、ありえん」
「ありえるよ。ちなみに、この間奏部分の音階は便宜的に言うと、ラソレー、ミレドー、ラソレー、ミレドー、ね。レとミとドは上の音ね」
「うわ、この人、また、なんか勝手に作ってるし」
「ちがうよ。わたしのオリジナルじゃなくて、たぶん、保育園に通ってた頃に習ったか、おかあさんといっしょ、か何かでやってたんだと思うよ。ついでに言うと、この、ばななーん、ばななーん、ばななーん、ばななーん、のところの振り付けは、こうやって両手を腰にあてて、両足を肩幅くらいに開いて、膝を左右交互に折り曲げて上体を右左に揺らしながら、ばななーん、ばななーん、ばななーん、ばななーん、だから」
「うわあ。ますますありえん。そんな恥ずかしいこと、おれ、ようせんわ。そんなバナナと何の関係もない振り付け、あるわけないじゃん」
「ちょっと、何、言ってるん。間奏なんじゃけん歌詞はないじゃん。歌詞のないメロディに合わせて身体を動かすのも踊りじゃん。あ、わかった、どうやらくん、保育園児だったときに、お遊戯真面目にせん子だったじゃろ」
「ああ、そう言われれば、そんな気がする。お遊戯じゃことの、そんなわけのわからんことできるか! と言葉にこそしてないけど、たぶん、そう思っとったわ」
「でも、どうやらくん、前に一緒に見に行った大衆演劇、面白いって言ってたでしょ。お遊戯を上手にするのは、ああいう芸能とも相通ずるものがあると思うよ。誰かが何かを上手にするのを見たり聞いたりするのも好きだけど、わたし、自分が上手に歌ったり踊ったりするのも好きよ」
「みそきちどんさん、歌や踊り、好きだよなあ。大衆演劇でも、おれは、前半のお芝居のところは、ちゃんと話があって面白いと思うけど、後半のショーのほうは、ストーリーらしいストーリーがないじゃん。まあ、ついでに見るけど、みそきちはショーのほうが楽しそうやもんなあ」
「うん。ショー、好きよ」
「ケーブルテレビの、グリー、だっけ? 歌ったり踊ったりするやつ。あれ、全然犯罪捜査ドラマじゃないのに、みそきち、熱心に見てるもんなあ」
「うん。だって、あのドラマに出てくる人、みんな、歌も踊りも上手なんじゃもん。誰かが何かを上手にするのを見たり聞いたりするのが好きなツボが満たされるんかなあ。あ、でも、アメリカンアイドルやアメリカンダンスアイドルのほうは、もうひとつツボにはまらんみたいなんよねえ。まあ、なんかようわからんけどね、歌とかお遊戯ってね、小さい子なら脳の発達に関係ある気がするし、老後だったら脳血流の活性化とも関係がありそうじゃけん、わたしはそうできる間は、歌ったり踊ったりするよ」
「はい、ごくろうさん」

こんな会話があったから、ぜひとも、ばななーん、の間奏付きの歌と踊りを夫に見せたいのだけれど、ネット上のどこかにそれくらいの動画はありそうなものなのに、なんだか上手に出会えなくて、「とんでったバナナ おゆうぎ」で検索すると、自分の日記が最初に出てくるという、検索するうえでかなりがっくりくる状態。ここは、同僚に頼んで、りららちゃんからきっちりと、お遊戯を習ってきてもらうことにしようかなあ。でも、同僚はぜったいに嫌がるだろうなあ。怒りん坊のりららちゃんからお遊戯を習うことも、習ったお遊戯をわたしの前で披露することも。ううむ、どうしたものか。     押し葉

 | HOME | 

文字サイズの変更

プロフィール

どうやらみそ

Author:どうやらみそ
1966年文月生まれ

ときどき、思い出したように、いただいたメッセージへのお礼やお返事をリンク先の「みそ語り」に書いています。よろしければ、いつでも、どうぞ、どなたでも、ご覧ください。「みそ語り」では、メッセージをくださった方のお名前は書いておりませんので、内容から、これは自分宛かしら、と推理推察しながら読んでいただければうれしいです。手の形の拍手ボタンからメッセージをくださる場合は五百文字以内、文字の方の押し葉ボタンからメッセージをくださる場合は千文字以内となっております。文字数制限なくお便りくださる場合には、下のメールフォームをご利用ください。

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク

最新記事

月別アーカイブ

カテゴリ

未分類 (0)
暮らし (111)
仕事 (161)
家族 (301)
想 (23)
友 (47)
学習 (79)
旅 (16)
心身 (8)

FC2カウンター

検索フォーム

FC2Ad

Template by たけやん