みそ文

サンタさん歓迎のツリー

小さな子どものいる同僚たちは、この時期店舗での通常業務以外に、各家庭でのサンタさんとしての業務でも忙しくなる。小三男子を育てる同僚は、「昨日は、うちの子が、おかあさん、今日は、玄関も窓も鍵をかけたらいけん、サンタさんがどこからでも入ってこれるようにしといてあげんと、って言って、戸締りさせてくれなくて、たいへんだったんですよ」と言う。

今年はその小三男子が十二月に入って間もなく「おとうさん、おかあさん、うちにもクリスマスツリーを買ってほしい」と言いだしたのだそうだ。同僚が「なぜ必要なのか」と訊いたところ、小三男子は「だって、サンタさんがプレゼントを配るお家を見つけやすいように、きれいに飾って明るくしておいてあげたいし、サンタさんはこれまでも毎年いっつもプレゼントをくれてたし、だからサンタさんにありがとうの気持ちを伝えるためにも、サンタさんがうちに来た時に、見てうれしくなるように、クリスマスツリーをきれいに飾っておいて、サンタさんに見せてあげたい」と彼なりの理由を述べる。同僚夫婦は、なるほど、自分のクリスマス気分を盛り上げるためというよりも、サンタさんを歓迎するためにツリーを飾ると言いだすなんて、うちの子けっこういい子じゃん、と感心する。そしてクリスマスツリーセットを買い与え、一緒に飾り付ける。そして二十四日の深夜、小三男子が眠っている間にそうっと、あえてクリスマスツリーの下でも枕元でもなく、今年買った新しいツリーの木にかけるようなかんじにして、プレゼントをのせておく。

二十五日の朝起きた小三男子は「サンタさん、ツリーがきれいなのがうれしかったから、ツリーにプレゼントかけていってくれたんかな」とうれしそうだった、と話す同僚はとてもうれしそう。

しかし、小三男子は、同級生たちとの会話やいろんな観察力洞察力の成長に伴い、「おかあさん。もしかして、サンタさんは、ほんとうは日本人なんじゃないのか」と言いだすようになった。同僚は、ああもうそろそろこの子へのサンタ業務も終わる年頃なのかしら、と思いつつ「なんで?」と訊く。すると、小三男子は「だって、日本中の子どもにプレゼント配るの、サンタさんが外国から来てするのはたいへんやろ。日本の子どもの分は、菅総理大臣が日本のサンタとして引き受けてるんじゃないかな。な、ほんとうは、そうなんやろ? サンタさんは菅総理なんやろ?」と同僚を問い詰める。同僚は「総理大臣は総理大臣で忙しいんだから」と、小三男子の予想が正しいとも間違っているとも言わずにそれらしく答える。

もしかすると、サンタさんは、この時期の激務を滞りなく遂行するために、実は代行システムを採用しているのではないだろうか、と、少しずつ気づくくらいに、無事に元気に大きくなることそのものが、サンタさんから子どもたちへの、そして親たちへの、大きなプレゼントなんだろうなあ。     押し葉

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どうやらみそ

Author:どうやらみそ
1966年文月生まれ

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