みそ文

魚の目玉の組分け

十月に、広島の祖母の十七回忌法要があり、帰省した。法要前日の夕食に、母がメバルの煮つけを作ってくれた。大きめのメバルだったから、一匹ずつ、それぞれに、上半身と下半身(魚だから前半身と後半身だろうか)の半分に切って煮込んである。魚を煮たあとの煮汁でさっと加熱した木綿豆腐も私の好物。食卓で、弟が、大皿から各自のお皿に取り分けてくれるとき、姪のみみがーに向かって「みみは魚の目が好きじゃけん、頭のほうがええんよの」と確認してとってやる。すると、甥のむむぎーが「おとうさん、おれは、しっぽのほうね。おれ、魚の目、苦手じゃけん」と言う。それを聞いた夫が、「わかるわかる。魚の目、俺も苦手。そういうことで、俺も、しっぽのほう入れてください」と、弟に向けて所望する。

私は魚の目も、目の周りのゼラチン質も、ほっぺたも、唇も、脳とその周辺も、とてもおいしいと思うから、「私は、頭ね」と、弟に頼む。弟は、みみがーと私にメバルの頭をとり、むむぎーと夫の器にメバルの尻尾を入れてから、自分のお皿にもメバルの頭を入れる。私が「しめじ(弟)も、魚の頭、好きよね」と言うと、「好きなのは好きじゃけど、わしは親じゃけん、魚の目は、最近は、みみがーにやるんじゃ。ほい、みみがー。これで、みみの魚の皿には、目玉が四個になったで。うれしいじゃろ」と言う。みみがーは、「ありがと」と、うれしそう。

「へえ、そうなんじゃ。みみがー、よかったねー。でも、悪いけど、私は、大人じゃけど、魚の目玉は譲れんけん。魚の目玉、おいしいもん」と私が言うと、みみがーが「うん。目、大好き。おいしいよね」と言う。

むむぎーが「おれは、魚の目の、あの、どぅるっ、としたところがダメ。卵の白身も、焼いたり煮たりしてないと、どぅるっ、てしてるけん、あんまり好きじゃない」と言う。夫が「わかるっ。そうそう、あの、どぅるっ、の、何がおいしいかがわからん」と続ける。

メバルの目玉を、どぅるどぅるっ、にょるにょるっ、と、おいしそうに食べるみみがーと私を見て、目玉以外のメバル頭部をおいしそうに食べる弟を見て、メバルの尻尾近くをおいしそうに食べる夫を見て、むむぎーが「わかった!」と、何かを見い出したかのように言う。

「みみがーとみそちゃんは仲間で、おれとじめいさん(夫)が仲間ね。おとうさんは中間(ちゅうかん)じゃ」
「魚の目玉好き組と、魚の目玉苦手組ってこと?」
「そうそう」
「中間、いうのは、なんなん?」
「おとうさんは、ほんとうは、魚の目玉が好きじゃけど、みみがーにあげて食べてないじゃろ。じゃけん、中間」

ははあ、ほほう、なるほどー。組分けの意義はよくわからんが、その調子で、いろんな「そうか!」や「わかった!」を繰り返すといいと思うよ。     押し葉

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どうやらみそ

Author:どうやらみそ
1966年文月生まれ

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