みそ文

カボチャの役割

登録販売者の資格ができて以来、私の職場でもその資格を取得した人が増えた。そのおかげで、私が担当する医薬品コーナーの仕事を、登録販売者の資格を持つ同僚たちが、以前以上にサポートしてくれるようになり、私はずいぶんと気持ちの余裕が増えた気がしている。

資生堂という会社から、「ザ・コラーゲン」という美肌商品の秋の販促品として、ずいぶん前に届いていたPOP(商品案内表示物)があった。それを、先日、ようやく売り場に出すに至った。けれど、切ったり、貼り合わせたりしたPOPたちのうち、貼り合わせたものの売り場設置をしたところで、お客様に声をかけられて、接客していたら勤務時間が終わりになり、残りの小さなPOPたちを貼るのはまた後日の仕事にしましょう、ということにした。後日出勤したらすぐに作業できるように、「売り場の古い丸POPを外して捨てて、このPOPたちを見本のように貼る」とメモを書いて貼って、カウンターの上に置いて、その日は帰った。

そして今日、出勤してみたら、そのPOPたちの姿がカウンターの上にはなく、すでに売り場に貼られている。「わあ。私がいないうちに、誰かが貼ってくれたんだー。うれしいなあ」と独り言を言いながら小躍りして喜ぶ私に、登録販売者の資格を持つ同僚が「トウジのPOP、貼ったんですけど、こんなかんじでよかったですか?」と確認の声をかけてきてくれる。

「ああ、ありがとうございます。いいです、いいです、ばっちりです。助かります。やろうと思って残して帰った仕事が、出勤してきたときに片付いているのって、夢か魔法みたいで、すごくうれしいんです。このPOPたち、ハロウィンの模様だから、今月いっぱいで撤去になるんでしょうけど、あと十日ほどでも、設置できて、活躍してもらえてよかったー」
「ハロウィン! あああああ。なるほど。十月だからハロウィンなんですねえ。いやあ、私はてっきり、冬至のカボチャだとばかり」
「ああ。トウジって、冬至の、とうじ、ですか」
「はい。カボチャだから冬至だな、と。さすが資生堂さん、季節を先取りするなあ、それにしても、気が早くないか、って思ってたんですけど、ハロウィンなら、今ですよねえ。全然先取りしてないですよねえ。ああ、たしかに、魔女みたいな絵(魔法使いかな)も描いてあるし、ハロウィンですねえ。なのにカボチャと言えば冬至しか思いつかなかった私って、もしかして、ちょっと高齢者すぎますか?」
「いえ。だいじょうぶです。そういうことなら、十一月に入ったら、魔女の絵の部分を切り取って、冬至まで、このままいっきに、カボチャでいきましょう」
「いや、それは、ちょっと、無理があるんじゃないでしょうか」
「うーん。だめですかねえ。なんならアズキも飾りとして一緒に並べたら、冬至っぽくなりませんかね」
「その組み合わせの飾りが、美肌を目指すザ・コラーゲンの立場として、資生堂さんに受け容れてもらえるかどうか、というと、微妙な気がするんですけど。さっきまで、ずっと、冬至だと思ってたくせに、なんですけど」
「じゃあ、また、資生堂さんから、十一月バージョンの新しいPOPが来たら、それに貼り替えで、来なかったら、アズキを追加の方向で、考えておくことにしましょう。というか、資生堂さんも、ハロウィンをネタにするなら、冬至もきっちりとネタにして販促品作ってきてもらいたいと思いません?」
「うーん、でも、きっと、冬至は、クリスマスの存在感に負けるんですよ」
「ああ、だから、そもそも作ってもらえないのかもしれないですねえ」

なんとなく冬至を応援したい夜。     押し葉

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どうやらみそ

Author:どうやらみそ
1966年文月生まれ

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