みそ文

胡椒大臣はゆく

我が家で消費の早い調味料として、すりごまとあらびき黒胡椒に関する記録を行ったところ、あらびき胡椒も使う時にミルで挽いたほうがおいしいですよ、というおすすめ情報をいただいた。五葷など食材に制限のある私にとって、使用可能な食材調味料に関しては、おいしさが深く大きいほうがありがたい。

粒胡椒に関しては、ずいぶん以前に買って、ミルで挽いて使おうとしたのだけれども、そのときには、ミルとのご縁がもうひとつで、粒の黒胡椒を上手に挽けなくて、残念無念のうちにあきらめた。それ以来、粒の胡椒は、スープを煮込む時に使うか、ピクルスの酢を一度煮立てるときに加えるのに使うくらいで、粗挽き黒胡椒は、もっぱら、すでに挽いてあるものの詰め替えを、買っては詰め、買っては詰め、を繰り返していた。

しかし、なにぶん、消費が早いものだから、粗挽き黒胡椒は、しょっちゅう、気がつくとなくなっている。けれど、大きな買い物ではないためか、買い物に出かけても、それを買わねば、という記憶の維持が難しい。その結果、必要なのに、何度も買い忘れて、夫と二人で「しまったー。また買い忘れたー」と、何度つぶやいたことか。買い忘れ大会が終了するまでは、黒胡椒がないから、代わりに白い胡椒を使う。パウダータイプのホワイトペッパー。しかし、あたりまえだけど、ホワイトペッパーとブラックペッパーは、風味が異なるのだ。やはり、黒を使いたい時には黒を、白を使いたいときに白を、使うのがよいような気がする。

そうか、黒も白も、粒を用意して、ちゃんと相性の良いミルを使えば、胡椒に関する買い忘れ大会の開催は激減するのではないだろうか。そういえば、我が家で現在、塩用として使っているミルは、塩用であると同時にスパイス用でもあるのだ。本体部分はガラスで、蓋部分はプラスチック、そして、刃の部分はセラミック。挽き具合を「粗い」から「細かい」の間で微調整できるダイヤルもついている。このミルなら、胡椒の粒も、きっと上手に挽いてくれそう。

よーし。胡椒を求めて大航海には行けなくても、ミルと胡椒を扱っているスーパーになら私でも行ける。歯科検診を終えたその足で、以前、塩用にミルを購入したお店へと向かう。お店では、我が家にあるのと同じミルたちが、売り場で私を待ってくれていた。しかも、以前買った時には、ひとつ千円くらいしたのだけど、お店の感謝祭特別価格で一個八百八十円。これはご縁とタイミングが整っているということなのではないか、と、にんまり。

ミルは先に買うと重いから、あとからもう一度来ることにして、先に胡椒を求める。食品売り場のスパイスコーナーで、黒と白の粒胡椒を、それぞれ一瓶ずつ買う。安い袋入りもあったのだけど、ここは、このたびの、気概と気合を込めて、少し上等な瓶入りを選択。ほんとうは、山椒の実もあれば買うつもりでいたけれど、山椒の扱いは粉末のみだったから、今回は、胡椒のみで撤収。

粒胡椒を入手したところで、ふたたび、ミル売り場へ。塩スパイス用ミルをふたつ手にとってレジでお金を支払う。うっふふっふふー。これで我が家の、胡椒は、今後、いつだって、自由自在。気持ちはスキップ、見た目はふつうに歩きながらお店を出て、車に乗って帰宅する。

その日の夕食でさっそく、新しい胡椒を使ってみる。黒と白を別々のミルに入れて、別々に挽いてみる。ああ、挽きたての爽やかでスパイシーな香りが脳に心地よくしみわたる。白と黒の個性の差も、これまで以上に鮮やかで、単品なら各自の個性が楽しく、両方合わせると、その両方の香りが奏でるハーモニーが私を酔わす。ああ、これは、おいしいねえ、と、うっとりしながら、夕ご飯の目玉焼きを、じっくりと咀嚼する。口の中で噛んでいるときと飲みこむ時まで続く口の奥から鼻に抜ける胡椒の香りが、また爽快。食卓に、塩のミルとともにならべた、黒胡椒のミルと白胡椒のミルが、おそろいなのも、なんだかうれしい。

こうして、我が家の胡椒レベルは、格段に向上した。これまでは、ただの「胡椒使用者」だったけれど、これからはもう「胡椒大臣」と呼んでよいような気がするからそうする。胡椒大臣は、今後、胡椒の品種による風味の差などについても、研究の幅を広げる予定。ゆけ、ゆけ、ぼくらの、胡椒大臣。     押し葉

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どうやらみそ

Author:どうやらみそ
1966年文月生まれ

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