みそ文

胡椒を求めて大航海

我が家で順調に消費する食材は、あらびき黒胡椒、と、いりごま。いりごまのほうは、すりごま容器に入れておいて、食事の時にいろんなものに、すりりすりりとかける。少し前に、少し上等な、セラミックすりごま容器を購入してみたら、手軽にかつ上手に香り高くておいしい「すり胡麻」が出てくるようになって、至福度向上。あらびき黒胡椒のほうは、すでに挽いてあるものの詰め替え用小袋を買ってきて、専用の容器に入れておき、使う時に振りかけるだけ。

黒胡椒は、市販の一袋あたりの容量が小さいせいもあり、なんとなくずいぶんと頻繁に買い足しているような気がする。夫と食事をしながら、「うちは、胡椒の消費が早いよねえ」と話す。夫が「胡椒はスパイスの王様なんだろうなあ。大航海時代には大航海してでも遠くまで買い付けに行ったくらいだもんなあ」と言う。

「ほんとうにねえ、すごいよねえ。果てしなく遠いところまで、胡椒を求めて旅するなんて、胡椒を食べたい欲望が、船乗りさんや冒険家の人や商いをする人を突き動かしたんだね、きっと」
「みそきちどんさん、何か勘違いしてるみたいだから、一応言っておくけど、船乗りさんや冒険家や商人たちを突き動かしたのは、胡椒を食べたい欲じゃなくて、胡椒を持って帰って売りさばいた結果得られる利益のほうだから」
「え? そうなの? 胡椒好きの人たちが、胡椒を食べ放題に食べたくて、胡椒がたくさんあるところまで行こうと思ったんじゃないの? そこで手に入れた胡椒を、自分たちが思う存分に食べてから、ああ満足したって思って、あとこれくらいは手元に残しておこうと思って、それでもまだ余ったぶんを、市場で売ったんじゃないの?」
「ちがうよ。それは、商いの基本を、何かまちがっとるじゃろ」
「だって、大航海、だよ。命をかけて船酔いしてまで手に入れようとするのは、自分が存分に食べたいものだから、じゃないの? 私は、ずっと、てっきり、そうだとばかり。世界史もそれで理解してたけど、別段問題なかったし」
「よかったね。でも、それ、違うから」

自分が食べ放題に食べたいわけではないのに、船に乗って、遠くまで、難破するかもしれないのに、胡椒を求めて(胡椒だけではないんだろうけど)旅するなんて、船乗りさんや冒険家や商人という人たちは、奇特な人たちだったんだなあ。     押し葉

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どうやらみそ

Author:どうやらみそ
1966年文月生まれ

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