みそ文

青年マミー

私が働く職場の同僚に、乳性飲料マミーを愛する青年がいる。店長でもない、新人三年目くんでもない、おそらく二十代後半の男性社員の人で、彼は休憩時間になると、昼食メニューのひとつとして、必ず、一リットル紙パック入りのマミーを一本買ってから、休憩室へと向かう。

「お昼休憩、いただいてきます」と、私たちに声をかけて休憩室に向かう彼に、女性従業員たちは「お疲れ様です。ごゆっくり」と声をかけ返しながら、そして少し心配しながら、見送る。何が心配かというと、彼は、そんなに毎日マミーを一リットルも飲みほして、大丈夫なのだろうか、ということ。

「出勤した日は、一日も欠かさず毎日みたいだし、少なくとも、私がレジしたときには、必ずマミー買ってはるし、今はまだ若いから、問題ないんかもしれんけど、ずっとあんなの飲み続けたら、ぜったい、なんか体壊しそう」
「そうそう。私がレジの時もそう。休日以外は必ず毎日。そんなに毎日マミー飲んで大丈夫ですか、ときどきは、マミー休みの日を作ったほうがいいんじゃないですか、って、よっぽど言おうかと思うんだけど、あんまり嬉しそうに、マミーを抱きかかえてるから、なんか言えなくて、ありがとうございました、だけ言ってる」
「私は、ときどき、休憩室で、お昼休みが一緒になることがあるんやけど、ほんとうに嬉しそうにおいしそうに、マミーをこくこくと飲んではるから、やっぱり止められずにいる。お昼に半分より多いくらい飲んで、残りは、また夕方の休憩の時に飲むように、冷蔵庫に、大切そうに入れてはるんよ」
「うーん。まあねえ。私もねえ、甘い物の食べ過ぎとコーラの飲み過ぎで、糖尿病になったんだから、私が言っても説得力ないかなあ、と思ったり」
「うんうん。私も、スナック菓子食べ過ぎコーラ飲み過ぎで、高脂血症の薬を飲む体になったからねえ。マミーくらい、好きなだけ飲まさせてあげたくなるなあ」

うーん、うーん、私の立場としては、なんと言ったものだろうか、と考え込みながら、彼女たちの話を聞くのだと、自宅で夫に話したら、夫は「アルコール中毒の家族の人たちや周りの人たちって、こういうかんじなんやろうか。あの人は、お酒飲んでる時には、それは嬉しそうやし、しあわせそうやし、怒ったり泣いたり暴れたりするわけじゃないんやし、好きなだけ飲まさせてあげようやあ、いう気になるんかなあ。それが体にいいかどうか、の観点よりも、そっちが上になるんやろうなあ」と言う。そうかなあ、そんなもんなのかなあ。うーん、うーん、うーん、うーん。     押し葉

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どうやらみそ

Author:どうやらみそ
1966年文月生まれ

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