みそ文

走るキンカン

姪のみみがーは、蚊に刺されやすい種族のようだ。お盆に帰省したときに、実家の母がみみがーに「みみがー。そんな、スカートとジーンズを重ね着しとったら暑いじゃろうに。どっちがだけにしたほうがいいんじゃないん?」と言っていた。私は、みみがーのその重ね着は、ファッションとしての着こなしの一種なのかしら、と思いながら、みみがーの反応を待つ。

みみがーとむむぎー(甥)とゆなさん(弟の妻)は、この日、ゆなさんの実家(瀬戸内海の島にある)への帰省に出かける予定である。みみがーは、「おばあちゃん。これは、虫よ、虫。虫よけ。島のばあちゃんところに行ったら、わたしいっぱい刺されるじゃろ。できるだけ隠しといたら刺されんじゃろ」と説明する。母は「ああ、そうじゃね、なるほど。それじゃったら、スカートもジーンズも、両方とも、しっかりと穿いときんさい」と納得する。私も内心、なるほど、と納得する。

ゆなさんの運転でむむぎーとみみがーの三人が出発するのを、手を振って見送る。家に入って、母に、「みみがーも、蚊に刺されやすい人なん?」と訊いてみる。母は「そうなんよ。みそもそうじゃけど、みみがーもよう刺されるんよ。蚊に刺されると、うちに入ってきて、みみがーが、おばあちゃん、キンカンぬって、いうて言うけん、はいはい、いうてキンカンを出してくるんよ。でも、みみがーは、おばあちゃん、ちょっと待ってよ、わたし、走る準備するけん、って言うて、ジャンプしたり脚を曲げたり伸ばしたりしてから、かけっこの、よーいどん、の格好をして、それでようやく、いいよ、おばあちゃん、キンカンぬって、って言うんよ。じゃあ、つけるよ、言うて、キンカンをつけてやったら、みみがーは、うひゃあー、はしるー! って、家の中をぴゅーっと走って戻ってきて、ああああ、いたかったー、でも、かゆいのが治ったー、って言うんよ」と説明してくれる。

必要な場合には、キンカンの成分と刺激を自分から所望して、その刺激対策としてそのへんを走ってくるという対処を行い、蚊に刺された部位の炎症とかゆみの鎮静化にかかわる対応一式を、それなりに自分で調整できるようになってきたとは、みみがーも大きくなったものだなあ、と、感慨深い。     押し葉

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どうやらみそ

Author:どうやらみそ
1966年文月生まれ

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