みそ文

龍馬さんと篤姫さん

お盆に帰省し義実家で日曜日を過ごす。早い夕食を済ませて、夫と義父はお店(義父が営む理容室)のテーブルで囲碁に励む。義妹の息子たちである男子二人は、その囲碁を観戦したり、日が暮れきるまでの薄闇の中、バスケットボールのオフェンスとディフェンスでの自主練習のような運動を繰り返したり。義母と私は台所での後片付け(洗いものは全て義母がしてくれる)をし終える。それがちょうど夜七時を過ぎた頃で、私は義母に「おかあさん、わたし、龍馬さんが始まる前に、先にお風呂入ってきていいですか」と声をかける。義母は「はいりんさい、はいりんさい。入れる者からはいらんにゃあ」と応える。それでは、と、お風呂にお湯を溜め始めて、着替えやタオルを脱衣所に運んだり、歯磨きをしたり、入浴準備をいろいろとしながら、義母とあれこれ話をする。

「みそさんは、龍馬さん、ずっと見ようるん?」
「はい。わりと真面目に見ようります」
「わたしゃあねえ、篤姫さんが、あんまり面白かったもんじゃけん、あのときに熱中しすぎたんかしらんけど、なんかあれで燃え尽きたみたいになってからねえ、あれからもう大河ドラマを見ようらんのんよ」
「ああ、たしかに、篤姫さんは面白かったですよねえ。私もかなり熱心に見てました。なんとなく、わたしは、幕末ものだと熱心さが高くなるみたいで。でも、じめいさん(夫)は、幕末ものはあんまりどうでもいいんですって。じめいさんは、戦国もののほうが面白いらしくて、龍馬さんの前の、兼次(かねつぐ)くんのときには、もっと真面目に見ようたのに、龍馬さんは全然なんですよ。今は、一応一緒に見とっても、殆どずっと碁をしようてですねえ」
「ありゃ、そうなんね。戦国時代の話のドラマもいろいろあったけど、やっぱり、わたしは、篤姫さんが一番よかったなあ思うわあ」

それからお風呂に入って、お風呂からあがって出てきて、「お先でした」と声をかけたら、義母が「みそさん。今いま、始まったところじゃ」と、八時になったNHKテレビを指差す。「うわわわわ」と、急いで化粧水たちが入ったポーチを居間に持ってきて、オープニングを見ながら、麦茶を飲みながら、ひたひたひた、と肌を潤す。甥っ子たちが「これ、見ようるん?」と訊くから、「うん。だいたい毎週見ようるんよ」と応えると、義母が「あんたらが見たい番組は、おじいさんの部屋のテレビで見んさい」と彼らに移動を促す。彼らはなにやら毎週見ているバラエティ番組があるようだ。

化粧水の後の保湿ジェルなどを、ぴたぴたぴた、と手のひらで顔と首にになじませながら、テレビの中で舞う龍を眺めていたら、義母が「はじまりの絵いうか音もじゃけど(オープニング音楽と映像)、篤姫さんのは、きれいで、えかったよねえ」と、ふたたび篤姫さんに対する深い憧憬を語る。

今度の義母の誕生日プレゼントは、篤姫さんのDVDにしてみる、というのはどうだろう。

追記。
うひゃあ。うわあ。大河ドラマの完全版DVDというものは、上等なもの(値段が)なんだなあ。知らなかった。総集編で様子を見るかなあ。思案しよう、思案しよう。     押し葉

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どうやらみそ

Author:どうやらみそ
1966年文月生まれ

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