みそ文

かえつておいで

お盆に広島へ帰省する予定について、どうやらの義母にメールを送る。義母と私は同じ携帯電話会社利用者なのと、私が携帯電話でのeメール機能は外しているという理由から、SMS(電話番号あてに送信する文字数の少ないメール)を利用する。「暑中お見舞い申し上げます。お盆は十五日と十六日に泊めてください。よろしくお願いします。安全運転で帰ります。」

以前、一時期は、こうして私がメールを送ると、義母はすぐに私の携帯に電話をかけてきて、「みそさん、暑いね。気をつけて帰ってきんさいよ。暑いんじゃけん無理しちゃあいけんよ」と、通話で了解を知らせてくれていた。それはそれで、もちろん、嬉しくはあった。けれど、私としては、「おかあさん、携帯メールするのが難しくなっちゃったんじゃろうか。メールのやり方、忘れちゃったんじゃろうか」ということが気がかりになった。だから、私は夫にそのことを話してみた。

その後まもなく、また何かの用事で、義母にメールを送った後、私は台所で何かをしていた。義母からであろう着信音が鳴っているのに気づいて、手が離せないから、夫に代わりに出てと頼む。私に電話したつもりの義母は、電話に出たのが夫だと気づくと、そそくさと電話を切ろうとする。夫が「そっちは二人とも(両親ともに)元気でやりようるん?」などと質問しても、適当に「うん、うん。みそさんにわかったいうて言うといてくれたらええけん」と、あまり多くを語ろうとしない。それでも夫が、「せっかく携帯メールできるようになったのに、メールに電話で返事しようたら、やり方忘れるんじゃけん、面倒くさがらんとメールもしたほうがええよ」と言うと、義母は「忘れとりゃあせんわいね。それなら、これからすぐにメールで返事しようか?」とちょっとムキになってみたりと、なかなかにかわいらしい。

けれど、夫が電話でそうやって話をしてくれて以来、義母はまた、携帯メールに取り組むようになり、メールにはメールで返事をくれるようになった。そうして、今回、義母が私に送ってきてくれたメールは、「毎日暑いね。お疲れ様~気をつけてかえつておいで(原文ママ)」。

そのメールを見て、「わあ。おかあさん、メール上手になっとってじゃが」と私は喜ぶ。どれどれと横から見た夫が、「上手って、どこが。かえつておいで、って、かえつて、って、小さい、っ、を入力するのを放棄しとるじゃん」と言う。

「そんなん、全然問題ないよ。お互い読めるし、意味わかるし。それに、ちゃんと、毎日暑いね、のあとに、丸(句点)がついてるじゃん。最初のころは、一切の句読点がなかったのに、すごい進歩。お疲れ様のあとの波形も、いつのまにか自力で習得しとってじゃし。あ、もしかしたら、たるるやかるる(夫の妹の息子たち)が教えてくれたんかもしれんね」
「まあ、ええけど。でも、帰っておいで、の、かえ、のところまで入れたら、たぶん画面の下のほうに、帰る、帰って、帰った、って変換候補が出とるんじゃろうに、そこは見えてないんやろうなあ」
「まあ、ええじゃん。そのうち気づいてかもしれんし。別に今のままでも、私とメールのやりとりする分には、何一つ問題ないよ」
「うーん。ええんかなあ」

息子として母に求めるレベルと、嫁として義母に求めるレベルは、少しばかり各種様相が異なるのかもしれないな。     押し葉

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どうやらみそ

Author:どうやらみそ
1966年文月生まれ

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