みそ文

修羅場の解決

職場のバックヤードで、段ボール箱の整理作業をしていた。こいつ、しょっちゅうバックヤードにおるなあ、と思われるかもしれないが、バックヤードが乱れていると、私の労働志気がたやすく損なわれるため、売り場での接客や作業が混み合っていないときには、段ボール箱やゴミ周辺の整理整頓をできるだけ行うようにしている。すると、同僚の誰かがおそらく疲労のあまり意識がもうろうとしてうっかり丸ごと捨ててしまったのであろう商品と、たまに、ばったり、遭遇する。その商品たちは、たいてい、不要紙箱類をまとめて捨ててある段ボール箱の中から発掘される。すかさず救出した真新しい商品たちを売り場に持って出て、担当者に「あの、これって、要らなくて捨てました? それとも本当は売るものなのに間違えて捨てたんでしょうか?」と尋ねると、「うわーっ。これ探してたんです。どこにあったんですかー? えー? 他の紙箱と一緒に捨ててたんですか、わたし。わあ、すみませんー。ありがとうございましたー。うわー、よかったー、あったー」と言いながら、同僚がその商品をきゅうっと抱きしめることがある。だから、そんな、うっかり間違って捨てられた商品たちがいるかいないかの確認のためにも、バックヤードの整理作業は欠かせない。そういうわけで、その作業に励んでいたら、学校を終えて出勤してきた高校生アルバイト男子が、職員通用口から入ってきた。お互いに「おはようございます」と、夕方だけど、挨拶する。男子くんは、相手が私だと気づくと、すぐに、挙手するように片手をあげて、「あのっ、このまえの、別れました!」と丁寧に報告してくれる。

「そうですか。それは。そうでしたか。お疲れさまでした」
「はい。疲れました。まだちょっとへこんでます。あ、でも、仕事はちゃんとしますんで、大丈夫です」
「はい。今日はお客様多めなので、頼りにしてます。よろしくお願いします」
「あ、そうなんですか。じゃあ、がんばりますっ」

別れたり悲しかったり、そんなときには、いつもより、少し若干忙しく、立ち働くのがいいのかもしれない。     押し葉

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どうやらみそ

Author:どうやらみそ
1966年文月生まれ

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