みそ文

ワールドカップの仕事

職場のバックヤードから売り場作成の道具を持って扉を開けて出てきたら、ちょうど扉の正面にあるテーピングテープのコーナーにいる少年が振り向いて私を見る。少年の年のころは、やや大柄な小学二年生くらいだろうか、それとも小学五年生くらいというところだろうか。私はどのお客様に対してもいつもそうしているように、「いらっしゃいませ、こんにちは」と声をかける。すると少年は、「あんな、ぼくな、大きくなったらな、サッカー選手になる」と言う。

「そうですか。それは、がんばって大きくならないと、ですね」
「うん。大きくなって、ぜったい、プロのサッカー選手になる。こんどな、うちでな、サッカーボール買ってもらえる」
「わあ、それは、たのしみですね。練習もいっぱいできますね」
「うん。練習いっぱいして、大きくなって、サッカー選手になって、ワールドカップに出る」
「そうなんだあ。じゃあ、ほんとうに、ごはんをちゃんと食べて、しっかり寝て、たくさん練習して、体の手入れもして、がんばらないと、ですね」
「うん。がんばる。今日の夜、テレビでワールドカップ見る。日本の試合見る」
「ああ、そういえば」
「日本とオランダの試合見る。すっげえ応援する」
「じゃあ、すっごい応援に備えて、夕ご飯しっかり食べなくちゃ」
「うん!」

一薬剤師の立場では、少年のサッカー選手としての適性は、まったくわからないけれども、少なくとも、見知らぬ店員(私)に向かって、サッカーへの熱い思いを、つい語ってしまうくらいに、少年の気持ちを高揚させているワールドカップ南アフリカ大会は、そして、日本代表選手たちと関係者とこの世のサッカーにかかわる全ての人たちは、それぞれの立場において、極上の仕事をしている、ということなのだろうなあ。     押し葉

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どうやらみそ

Author:どうやらみそ
1966年文月生まれ

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