みそ文

お粥の場所

入荷した商品の補充作業中。医薬品ドリンク売り場にて、袋詰め作業をしていたら、8歳か9歳くらいだろうか、小さな女の子が近寄ってきて、私に話しかける。小さな人ではあるけれど、話し方はきちんとしていて、「すみません。このおみせには、おかゆはおいてありますか?」と、丁寧な言葉で質問してくださる。

「はい。お粥ですね。食品コーナーのレトルト食品の棚のところにございますので、ご案内いたしますね。」と、言いながら、小さなお客様を誘導する。途中の通路にさしかかったとき、小さなお客様は、通路から見える場所にいらっしゃる大人の女性にむかって、「おかあさん!こっちにおかゆ、あるって。おみせのひとにきいたら、やっぱり、ちゃんと、あったよ。」と、声をかける。

お母さん、と呼ばれた女性のお客様が近くにいらっしゃるのを待ってから、「お粥はこちらの棚になります。あ、上の段にも、箱入りで、お粥のシリーズがありますね。こちらは少し素材が上等な種類のようです。下の段はお粥といっても、西洋風のリゾットです。お好みに合わせてお選びください。」と説明する。お客様は、「あ、はい。ありがとうございました。」と言ってから、いくつか手にとって見比べていらっしゃる。

「ごゆっくりご覧くださいね。」と声をかけてから私が、自分の売り場の仕事に戻ろうと歩き始めると、小さな女の子もお母さんのいるところ(お粥の棚の前)から離れながら、お母さんに向かって言う。「じゃあ、わたし、まあちゃん(弟か妹か?)のめんどうみにいくからね。おかあさんも、わからないことあるときには、なんでもじぶんでさがそうとせずに、おみせのひとにきけばいいんだからね。じかんかけてうろうろしなくても、おみせのひとならすぐわかるんだから。わかった?」と言いながら、ぱたぱたぱた、と、速やかに、まあちゃん(さらに年齢の小さいかんじの人)の声がするほうに向かう。

まあちゃんの面倒を見たり、お母さんに買い物指南をしてみたり、物怖じすることなく店員に質問したり、この小さなお客様は、きっと、とても利発で、お世話上手な才能の持ち主なんだなあ。「おねえちゃん」であることを、存分に全うしていて素敵だなあ。と思いつつ、でも、えーとね、おねえちゃんでもね、甘えたり、誰かにお世話になったりも、上手にちゃんとしていこうね、と、こころの中で話しかけた。     押し葉

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どうやらみそ

Author:どうやらみそ
1966年文月生まれ

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