みそ文

白髪の理由

 私の実家の家族たちは、どういうわけか、私の夫のことを、ずいぶんと、肯定的に評価してくれている。実家の家族たちが、自分の配偶者のことを、否定的に思うよりは、ずっと、ありがたく、うれしいことではあるのだが、肯定的に評価している理由が、「ねえちゃんと結婚しているから」であるというのは、ねえちゃん(私)本人にとっては、微妙で複雑なところだ。

 何年か前に帰省したときに、弟の脚(と足)をマッサージしていたら、仰向けに寝転んでいた弟がふと、私の頭を見て、「ねえちゃん。白髪増えたのう。年とったんかのう。」とつぶやいた。
私はなんとなく、「年は、常に、あんたより三つ上じゃけん、それなりじゃろ。でも、白髪は、あれじゃない? やっぱり、結婚生活で、私もいろいろ苦労が多いんじゃろう。」と返しながら、マッサージを続ける。
 すると、弟の足が、ぼすっ、と、私の手を蹴るように動く。そんなことしたらマッサージしにくいではないか。「ちょっと。何なん。」と不本意を表明する私に向かって弟は、「苦労とか、おにいさんが言うのはええけど(私の夫が言うのはかまわないけれど)、ねえちゃんは言うたらいけん。ねえちゃんと結婚して苦労しょうるのは、おにいさんなんじゃけん。」と、真顔で説教し始める。「じゃけん、おにいさんのほうが、ねえちゃんより、もっと白髪多いじゃろう。」と続ける弟に、「どうやらくんは、結婚する前から、白髪が多かったけんねえ。むしろ、結婚してから、白髪減ったんじゃないかな。私がご飯作りようるけん、食生活が改善されて、髪の毛も元気になったんじゃろう。やっぱり、よかったんじゃん。私と結婚して。どうやらくん、らっきー。」と返す。
 ぼすっ。またもや、弟の蹴りが入る。

 私の実家における夫は、父と一緒にお酒を飲むけれど、すぐに赤くなって寝てしまう人、という在り方が長年パターン化している。
 自宅でも、夫の実家でも、お酒を飲んでも飲まなくても、うたた寝は、夫の得意技なのだけれど、お酒を飲むと、それがさらに得意にはなるけれど、夫が眠れば眠るほど、私の実家の人々は、「やっぱり、ねえちゃんの相手をするのは、疲れて、たいへんなんじゃろう。」と、妙な納得を深める。
 その話を聞くたびに、夫はいかにもうれしそうに、「そのとおりっ!」と膝をたたく。

 なんだかよくはわからないけど、夫と実家の人々が、仲良きことは嬉しきことかな。     押し葉

 | HOME | 

文字サイズの変更

プロフィール

どうやらみそ

Author:どうやらみそ
1966年文月生まれ

ときどき、思い出したように、いただいたメッセージへのお礼やお返事をリンク先の「みそ語り」に書いています。よろしければ、いつでも、どうぞ、どなたでも、ご覧ください。「みそ語り」では、メッセージをくださった方のお名前は書いておりませんので、内容から、これは自分宛かしら、と推理推察しながら読んでいただければうれしいです。手の形の拍手ボタンからメッセージをくださる場合は五百文字以内、文字の方の押し葉ボタンからメッセージをくださる場合は千文字以内となっております。文字数制限なくお便りくださる場合には、下のメールフォームをご利用ください。

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク

最新記事

月別アーカイブ

カテゴリ

未分類 (0)
暮らし (108)
仕事 (160)
家族 (298)
想 (23)
友 (47)
学習 (79)
旅 (16)
心身 (8)

FC2カウンター

検索フォーム

FC2Ad

Template by たけやん