みそ文

ライオンを見習え

 何週間か前の夜、テレビを見ていたら、鬣(たてがみ)のない雄ライオンが出てきた。
 番組の説明によれば、そのライオンが住む地域は、あまりにも暑いために、少しでも風通しを良くする目的で、自然と鬣が抜け落ちた、あるいは、生えなくなった、とのこと。
 あまりにも暑いため、狩で得た獲物(草食動物)も、すぐには食べない。オスもメスも子どもたちも、しばらく獲物を放置して、木陰でじっとする。死んですぐの獲物は、まだ体温が高いからだ。しばらく置いて、血も肉も冷めたころに、ようやく食事を始める。
 しかし、いざ食べ始めても、一口二口食べて、咀嚼と消化を始めると、今度は彼らライオン自身の体温が上昇する。暑いところでの体温上昇はつらい。
 ライオンたちは、すうーっと、獲物から離れて、木陰の土を掘る。なんのために土を掘るかというと、地面の下の、少しでも温度の低い土に、お腹をあてるため。
 冷えた(というほどではないが、少なくとも太陽で熱くなっていない)土にお腹をあててしゃがみこむことで、全身の体温を下げるのだ。
 しばらく、そうして、じっとして、熱いのをやりすごしたら、また、獲物のところに近寄って、肉塊をひとかじり。そしてまた土を掘り、お腹をあててじっとする。
 暑い土地で、暑すぎる土地で、生きるということは、生きのびるということは、なにやら、たいへんそうだ。

 ところで、このテレビを一緒に見ていた夫が、「このライオンを見習え。」と私に言う。「ライオンは、自分の体を冷やすために、自分で地面を掘って、冷たい土に腹をあててるじゃないか。みそきちみたいに、人の体(夫の体)で涼をとろうとするような、姑息なことをしないのが偉い。」と。

 事情はどうあれ、妻のことを「姑息」呼ばわりするのは、いかがなものだろうか。     押し葉

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どうやらみそ

Author:どうやらみそ
1966年文月生まれ

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