みそ文

いごねり

 数年前に旅行した佐渡島。自家用車ごとフェリーに乗って島へ渡る。

 佐渡島で食べた物で、生まれて初めて食べて、とても気に入ったものがある。「いごねり」だ。
 いごねりとは、佐渡島周辺の海で採れるイゴという名の海草から作る食品。見た目は「色付きのところてん」といったかんじなのだが、ところてんよりも滋味深い味がする。食感もところてんに比べると、つるりとしつつもほっくりとしている。よく似たものを九州北部では「おきうと(おきゅうと)」と呼ぶらしい。

 佐渡島滞在中は、何度も「いごねり」を求める。しかしメニューに書いてあっても、どこでも常にあるわけではなく、「ごめんなさいねえ。今日はないのよ。」と断られることもある。お店のおばちゃんの説明によれば、昔に比べると、イゴ自体の採取量も減っていて、いごねりの生産量も少なくなっているのだそうだ。その希少感が、さらに、私のいごねり欲を刺激する。

 運良く注文できても、実際に出てくるいごねりは、小鉢にちょろりんと、上品で可愛らしい量だ。丼いっぱい、とは言わないけど、お椀にいっぱいくらいは、思う存分食べたいなあ。

 そんなふうに思うときには、夜空に向かって小声で叫ぶ。すると数ヶ月か数年か、あるいは十年以内くらいに、たいていの夢は、なんらかの形で叶う。

 だから、小声で叫んでみる。いごねりー! いごねりー! お取り寄せ、しようかな、いごねりー。     押し葉

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どうやらみそ

Author:どうやらみそ
1966年文月生まれ

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