みそ文

ポイントカード

 お買い物をするときに、ポイントがつくシステムがある。多くの場合は、そのお店専用の会員カードを用いるもので、購入金額に応じてポイントが加算されてゆく。累積したポイントは、ある程度貯まった時点で、そのお店で買い物するときの金額の一部として充当できることが多い。

 私が働く職場でも、ポイントカードシステムがある。たまにポイントニ倍セールをしたりすると、それだけで客足が伸びる。ポイントが二倍だからって、わざわざご来店くださるなんて、みなさん偉いなあ、マメだなあ、と他人事のように感心する。

 私は、ポイントを貯めたり使ったりする、管理と、お世話が、どうにもあまり得意でない。ひとつのお店に拘束されているような気分も苦手だ。

 けれど夫は、ことのほか、ポイント集めを好む。彼はポイントに限らず、小さなものをちまちまと集めて貯める行為に快楽を覚えるようだ。昔の銀貨収集も好きだし、集めるとプレゼントがもらえるような商品の外箱などを保管しておくのも得意だ。

 夫によれば、ポイントを貯めるのは、ある種のエンターテイメントなのだそうだ。私が嫌がる「そのお店に拘束されている感覚」も、お店にとっては狙い通りなのだから、それでいいのだ、とも言う。
 ポイントが、どーん、と、いっきに貯まるのではなく、ちまちまと貯まってゆくのも、なんだかわくわく楽しいし、いつの間にかいっぱい貯まったポイントを使って、本来の表示価格よりもぐっとお安く買い物するのも、お得で嬉しい気分なのだそうだ。
 そう言って、夫はとてもうれしそうに、ポイントを貯めてゆく。だから私も結婚してからは、夫の嬉しそうな顔見たさに、ポイント収集に協力するようになった。

 私が働く職場では、マイバッグ(エコバッグ)ポイントが、一回につき1ポイント(1円分)つく。
 だが、飲み物一本やガムひとつなど、もともと袋が必要でないような小さなお買い物には、マイバッグポイントをつけなくていいです、というお達しが本社から来ている。もちろん「マイバッグポイントをつけてください。」と所望するお客様にはすぐにつけてあげてください、との指示もある。けれど、小さな買い物で、マイバッグポイントを所望しない人には、無理してつけないように、ということだ。
 このマイバッグポイントシステム、今はまだ存続しているが、このシステムも近々なくすということだ。会社としては経費削減の工夫のひとつなのだろう。
 そういえば、今はもうない、とあるスーパーのサービスでは、「マイバッグポイントは500円以上の買い物時に限りおつけします。」だったような気がするなあ。なんでもかんでもマイバッグポイントをつけていたら、そのポイントを狙って、小さな買い物をさらに小分けにして、お買い上げ点数分のマイバッグポイントを獲得しようとするような人も、いるのかもしれないなあ。

 そしてこのマイバッグポイント。休憩時間や仕事からの帰り際に買い物するとき、私もときどきつけてもらう。買い物袋は常に持参しているし、袋がなくてもバッグに入る程度の買い物で済むことが殆どだから、ときどきではなく、ほぼ毎回だ。
 うっかりすると、会員カードを出すことすら忘れてしまいそうになるけれど、レジをしてくれる人たちが、毎回必ず「すこやか堂カードはお持ちですか?」と声をかけてくれるので、忘れず出すことができている。
 袋はこれに入れてください、と、持参の袋を差し出すと、「では、マイバッグポイントを加算しておきますね。」と教えてくれる。あるいは「袋は要らないです。バッグに入れます。」と言ったときには、会計済みの印になるテープを貼って、マイバッグポイントをつけてくれる。
 「もうじき、このマイバッグポイント、なくなるんですよね。」と言うと、「そうらしいですね。でもつく間はつけますね。」と、忘れずにつけてくれる。

 ポイントが500ポイント貯まると、500円券が出てくる。ポイントがそれだけ貯まったことと、500円券が出てきたことを、夫に報告したときの、彼の嬉しそうな顔が好きだ。「やったね。」とか「お得じゃろ。」と、彼が嬉しそうに言うのも好きだ。
 自分のために貯めることは面倒くさくてできなくても、夫の嬉しそうな顔を見るためになら、こつこつと頑張れるから不思議だ。愛の力は偉大だな。


 追記。
 その後、マイバッグポイントサービスはいったんなくなったのだけど、その後またしばらくして復活した。復活の理由は、競合他社がそうしているから。各種方針変更の理由のほとんどが、この「競合他社がそうしているから」であることが多い。従業員各位としては「他社を真似してそうするくらいなら、他社より先にそうすればもっとかっこいいのになあ」と感じるポイントなのであった。     押し葉

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どうやらみそ

Author:どうやらみそ
1966年文月生まれ

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