みそ文

おいしそうなトド肉

ある日の仕事帰りに、一緒に仕事をしている薬種商のおじちゃんが、ふと、私に向かって、「どうやらさんのご両親はご健在なんですか?」と尋ねてこられた。

はい。おかげさまで。二人ともとても元気で、まあ、年齢なりに、いろいろはあるんですけど、あちこち旅行に行くくらいには元気で、少し前にも北海道旅行に行ってきてました。

「ほう。それは、ええことや。」

それで、旅行のお土産を送ってきてくれたんですけど、利尻の昆布は、ねらいどおりで大喜びなんですけどね、トド肉の缶詰というのも入ってて。

「トドの肉かあ、それは、ちょっと、そんなには、ほしくないなあ、なんでやろうなあ」

でしょう? うちの親も何を思ったんでしょう。やっぱり旅の高揚感でしょうか。現地で食べて「うまい!」と思ったわけではないと思うんですけどねえ。「話のネタにどうだ!」くらいのつもりでしょうか。

と、しばし、土産の愚痴(?)を聞いてもらい、駐車場で、「お疲れ様でしたー」と別れた。

そのトドの缶詰。まだ開けずに置いてある。近々、いや、生きてるうちに、「これが食べたい!」と思うときが来るだろうか。人間が養殖をしてまで食べようとしていない、ということは、世の中の食の世界で天下を取っていない、ということは、そういう味、つまりそれほどたいそうにはおいしいわけではない、ということなのだと思うのだ。

人間にとって、それほどおいしくない身(肉)をまとう、ということは、生き物として、生存率を高める上では、大切な作戦だよね、きっと、と、夫と話す。その夫が言うには、今回もらった缶詰の、トドの親子(たぶん)が微笑むイラストが妙にあまりにも可愛くて、食べる意欲がさらにそがれる、のだそうだ。食品製造業として、それはパッケージデザインの失敗なのではないか。しかし、トドを、活きよく、おいしそうに描くのは、なんか難しそうだよなあ。「おいしそうなトド」が、どんなのかもわからないし。     押し葉

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どうやらみそ

Author:どうやらみそ
1966年文月生まれ

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