みそ文

万能薬到達

 数日前の日記「万能薬」で、「中国人の女の子」が「にきび治療薬」としてお求めの「300円くらいの」「万能薬」は「オロナインH軟膏」であるらしい、と、気がついたところまで、お話しした。その後、あのお客様は、ご来店くださっただろうか、ご購入くださっただろうか、と、気にかけながら働いていた。そんな先日の作業中、ふと気がつくと、まさにそのお客様が、ビタミンB2製剤の前に立っておられる。たぶん、まちがいなく、あのときのお客様だ。お顔は覚えていないのだが、上着の色が同じだし、髪の毛をひとまとめにしておられる髪型も同じだ。ビタミンB2製剤の前で、やはりこれは違うなあ、というそぶりの後、塗り薬のコーナーに移動されて、あれかなあ、これかなあ、と探しておられる。ああ。きっと、まちがいなくあのお客様だ。

 お客様は、塗り薬のコーナーで、水虫の薬を、順番に手にとっては、ちがうなあ、という表情で、棚に戻しておられる。ああ、やはり、きっと、まちがいなく、あのお客様だ。水虫のお薬は必要ないはず。思い切って声をおかけしてみる。

「もしかして、お客様、こちらのお薬をお探してではないですか?」

 そう言って、オロナインH軟膏を目の前にお出ししてみる。お客様のお顔が、「ああ! これ!」の表情に変わる。

「これ、おろ、ですか。」
「こちらは、オロナインです。」
「おろ、おろ、あれ? おろは、おろないん、ですか。」
「はい。オロナインです。効き目のところに、にきび、とも書いてあります。」
「ああ。これです。これ、ほしかった。にきび、なおりますね。」
「はい。にきびにも、お使いいただけます。」
「わたし、ここ、なんかい、みた。これ、なかった。これ、ずっと、ここにあった?」

 つまり、「私はこの場所で何度もオロナインを探しましたが、見つけることができませんでした。オロナインは、以前からずっと、この場所に置いてあったのですか?」という、ご質問だ。

「はい。オロナインは、前から、ずっと、ここに置いております。」
「わたし。みなかった。(私には見えませんでした。)」
「はい。この場所は、少し、位置が低いので、見つけるのが難しいかもしれません。」
「ああ。はい。むずかしい、ですね。これと、これは、ちがいますか?」
「これは中の量が15gです。こちらは30gです。そしてこちらは100gです。」
「これは、ぜんぶ、おなじですか?」
「はい。中の薬は同じです。こちら(30g入り)はこちら(15g入り)よりも多いです。」
「ああ。おおい、は、おおきいですね。」
「はい。そして、こちら(100g入り)は、こちら(30g入り)よりも、もっと多いです。」
「きょう、わたし、これ(30g入り)かいます。」
「ありがとうございます。」
「おかねは、いくらですか?」
「はい。30gは398円です。」
「かいます。」
「はい。お支払いは、レジにてお願いいたしますね。」
「このくすり、ともだち、すき。わたしも、とてもいい、おもいます。みんな、いい、おもいます。ちゅうごく、かえる、そのとき、もっとたくさん、かいます。ちゅうごくの、かぞく、ともだち、プレゼント、かいます。(この薬は、私達知り合いの間でとても人気があります。帰国する時には、中国の家族や友人へのお土産用にたくさん買って帰る予定です。)」
「ありがとうございます。よろしくお願いいたします。」

 ああ。オロナインH軟膏に到達するまでの道のりは、長かったなあ。でも、なんとか辿り着けて、本当によかった。にきび治療上のお奨め度合は別にしても、とりあえず、よかった。     押し葉

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どうやらみそ

Author:どうやらみそ
1966年文月生まれ

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