みそ文

お年玉の掟

実家の近所の仲良しのめいちゃんは、お正月になるとめいちゃんの姪っ子たちに、毎年お年玉をあげる。

「めいちゃんは、姪っ子さんたちに、いくらずつ、あげることにしてるん?」と訊いてみた。するとめいちゃんは、「ふふふ」と低く笑う。「なになに? なんなん?」

「姪っ子たちへのお年玉ね、一人千円にしてるの。でね、毎年必ず、あの子達にお年玉を手渡す時に聞くの。このお年玉の袋に、今なら千円札が一枚入ってるよ。もちろんこのまま持って帰ってもええけどね、持って帰らずに、一年間私に預けたら、来年のお正月に、五百円玉二枚にして返してあげるよ。来年のお年玉は、それとは別にちゃんとあるよ。って。」

「へえ。ほほう。で、姪っ子さんたちは、なんて?」

「ふふふふふ。それがね。あの子らまだまだ算数の世界が短いけん、二人ともすごく悩むの。下の子なんて、また小学校入ってないから、だって、いっこ、が、にこ、になるんじゃろ? そっちのほうがとくなんじゃないん? って、お姉ちゃんを説得しようとするんだけど、上の子は、一応小学校で算数しょうるけん、ちょっと、んんん? と思うみたいで、でもまだ、あんまり大きな桁の数字はもうひとつ難しいんかしらんけど、ゆっくりじっくり考えてる。」

「めいちゃん、それ見て、にやにやしてるの?」

「うん、そう。にやにや。でも、せっかくにやにやしてるのに、必ず、そこにすかさず妹(姪っ子たちの母)が来て、ちょっと、おねえちゃん、またー、もうー。あんたたちも、毎年同じことで悩みんさんなや。そのままもらって帰ったらええんよねー。って言って、ポチ袋を取り上げて持ち去るんよねー。」

めいちゃん一家のお正月、毎年うららかで、なによりなにより。
    押し葉

 | HOME | 

文字サイズの変更

プロフィール

どうやらみそ

Author:どうやらみそ
1966年文月生まれ

ときどき、思い出したように、いただいたメッセージへのお礼やお返事をリンク先の「みそ語り」に書いています。よろしければ、いつでも、どうぞ、どなたでも、ご覧ください。「みそ語り」では、メッセージをくださった方のお名前は書いておりませんので、内容から、これは自分宛かしら、と推理推察しながら読んでいただければうれしいです。手の形の拍手ボタンからメッセージをくださる場合は五百文字以内、文字の方の押し葉ボタンからメッセージをくださる場合は千文字以内となっております。文字数制限なくお便りくださる場合には、下のメールフォームをご利用ください。

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク

最新記事

月別アーカイブ

カテゴリ

未分類 (0)
暮らし (109)
仕事 (161)
家族 (300)
想 (23)
友 (47)
学習 (79)
旅 (16)
心身 (8)

FC2カウンター

検索フォーム

FC2Ad

Template by たけやん