みそ文

母心娘心

大学生の時、ルームメイトがダイエットを始めた。数ヶ月のうちに、するすると痩せてゆき、すっきり身軽に軽やかになり、本人も快適そうであった。夏休みか、冬休みか、春休みか、を挟んだ後も、リバウンドすることもなく、彼女は、軽やかな体型を維持して、相変わらず快適そうであった。

ある日のこと、アパートに私一人がいるときに、彼女のお母さんから電話がかかってきた。「今外出中なので、帰ってきたら、お母さんに電話するよう伝えますねー」という私に、お母さんは慌てて、「いやいや、いい、いい。あの子には言わんといて。今日は、折り入って、みそさんに相談したいことがあって、思い切って電話することにしたんじゃけん。うちの子は、何か悩みでもあるんじゃないじゃろうか、と心配でたまらんようになったけん。この休みに帰ってきた姿を見たら、あまりにも痩せとるじゃろう。あんなに急に痩せるなんて。いったい何があったんじゃろうかと心配で心配で」とおっしゃる。

「いやいや、おかあさん。あれは、ダイエットに成功しただけです。本人も体調いいみたいですし、大丈夫ですよー」
「もうー。どうして、ダイエットなんかするんじゃろう。あの子はなんにもしなくても、そのままで、もうじゅうぶんに可愛いんだから、もうダイエットなんかしないように、みそさんからも言ってやって。あんなに急に痩せてしまったら、もう心配で心配で。本当に何も悩んでないんならいいんだけど。何かあったら、すぐ相談にのってやってくださいね。お願いしますね」

ルームメイトの、あのすこやかで、のびやかな心根は、このおかあさんの、底なしの愛情が育んだものなのだなあ。と、母の愛に、うっとりとしたひととき。

教訓。乙女心と親心を、同時に満たすのは、少しばかり難しい。     押し葉

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どうやらみそ

Author:どうやらみそ
1966年文月生まれ

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