みそ文

雷様のおへそ

友人とその息子くん。

梅雨の季節とはいえ、あまりにもあまりな豪雨が降りしきり、雷もぴかぴかごろごろ。けれど普通の日であるし、いつもどおりに、朝ご飯を食べて、着替えて、登校の準備をすすめる。いつもなら、さくさく着替えて支度する息子くんが、その日はなにやら、ごそごそもぞもぞ、いつまでたっても着替え終わらない。しかも友人のそばに、ぴたあっ、と、くっついて、もぞもぞごそごそ。

友人は見かねて、「いいかげんに早く着替えなさい。学校に間に合わんようになるやないね」と声をかける。すると息子くんは、真剣なまなざしで「おへそが。おへそをかくしたまま、きがえられへん」

「はあ? おへそ?」
「かみなりさまは、おへそとるんやろう? かくしとかんと、とるんやろう?」

息子よ。君は小学三年になっても、雷のへそ取りを信じていたのか。君がいまだに、雷様を怖がってたとは、お母さん知らなかったよ。と思いつつ、「大丈夫。しゃっと着替えたら、雷さん、おへそ取れへんから。しゃっと着替え」
「ほんとうに? おかあさんのおへそはだいじょうぶ? ちゃんとある?」
「ん? どうかな? あった。あった。大丈夫やわ。お母さん、しゃっと着替えたし」
「わかった。ぼくも、しゃっときがえる」

そして息子くんは、無事に着替えて、元気に登校。おへそも無事に元気に登校。なによりなにより。     押し葉

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どうやらみそ

Author:どうやらみそ
1966年文月生まれ

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