みそ文

夫のいびき

夫はいびきをかく。夜間睡眠中でも、うたた寝でも。

いびき外来を受診して、睡眠時無呼吸の有無も調べてみたのだが、特別治療が必要なレベルではない、ということで、そのまま現在に至っている。治療は必要ないレベルでも、迷惑は十分なレベルだ。

最近は、夕食後のうたた寝が彼の習慣と化している。私はその傍で、ケーブルテレビのドラマを見たり、パソコンでメールを書いたり、いろいろと過ごすわけだが、ときに、彼のいびきの音が、その作業を妨げる。そんなときには声をかける。「どうやらくん、いびきしてるよ」。すると、彼のいびきはおさまり、静寂が訪れる。けれど、場合によっては、数分後に再び、いびきの音が聞こえてきて、いろいろ妨げが生じるため、私は夫に何度か繰り返して「いびきー」と声をかける。私が声をかけたその後は、彼は無言で無音になって静かに眠り続けてみたり、さも私の声に気づいたかのように「はっ!」と目を見開いてみたり、あるいは、まるで、自分はそれまで全然寝てなんかいませんでしたよ、というような所作をとったりする。後に夫が目を覚ましてから、「さっきのどうやらくん、おかしかったね」と話してみても、彼はうたた寝中の自分の一切を全く記憶していない。

先日も、夕食後のうたた寝で、夫がいびきをしはじめて、うるさいなあ、と思ったので、「いびきしてるよ」 と声をかけた。そのときの夫の私への反応。まず、私に握手を求めるしぐさをする。そして、「えらいねっ。よく気がついたね!」と言う。夫は自分のこの反応(言動ではない。反応だ)を、当然まったく憶えていない。眠ったままで、「えらいねっ。よく気がついたね!」と、私を賞賛してから、夫は再び、すやすやと、うたた寝の世界にお戻りになる。

「えらいねっ」って、何がだ? 「よく気がついたね!」って、誰がだ? それだけいびきがうるさければ、イヤでも気がつくと思うのだけど。「気づくべきは君だよ、夫」と、心の中で彼の頭部をチョップする夜。     押し葉

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どうやらみそ

Author:どうやらみそ
1966年文月生まれ

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