みそ文

値引きの学習

まだ実家に住んでいた頃。仕事を終えて帰宅してみたら、食卓の上が、刺身だらけ、になっていたことがあった。別に何の祝いでもない普通の日のはずなのに、どうしたのだろう。

父が珍しくスーパーに立ち寄り、買い物をしたという。夕方訪れたスーパーで、「刺身でも」と思い近寄ったら、パックにシールが貼ってある。見てみると、「150円」やら「200円」やら、ものによっては「100円」「50円」なんていうのもある。「刺身なのになんて安いんだー! これは買わねばー!!」と張り切って、たくさんカゴに入れていく。いくらなんでもこれ以上は食べられんじゃろう、と思い、一応加減はしてみたつもり。レジを通してもらう。あれ? あれれれれ? あんなに安いはずの刺身なのに、合計金額、妙に高いのはなぜなんだ?

父は、レジの女性に問うてみる。「刺身の値段、このシールの値段?」
「いえいえお客様。これは値引きの金額ですので、こちらの表示金額からシールの値段を引いたものが、一パックの値段になります。」

なんてこったー! そうだったのかー! と思ったけど、もういい、買う買う!! ということで、大量(大漁)のお刺身お持ち帰りと、あいなった。

父は言う。「あんなふうにシールが貼ってあったら、誰でもシールに書いてある値段じゃと思うわあ。」
思わん思わん。

よく見れば、シールには、「50円」のその右に、小さな文字で「引き」と書いてある。父は言う。「こんな小さな字、誰も見んじゃろう。」
見る見る。

今にして思えば、あの頃から、少しずつ、父には糖尿病の眼の症状が出ていたのかなあ。何はともあれ、お刺身はたいへん美味しくいただきました。

教訓。大人になっても、もっと大人になっても、社会勉強は、続く。     押し葉

 | HOME | 

文字サイズの変更

プロフィール

どうやらみそ

Author:どうやらみそ
1966年文月生まれ

ときどき、思い出したように、いただいたメッセージへのお礼やお返事をリンク先の「みそ語り」に書いています。よろしければ、いつでも、どうぞ、どなたでも、ご覧ください。「みそ語り」では、メッセージをくださった方のお名前は書いておりませんので、内容から、これは自分宛かしら、と推理推察しながら読んでいただければうれしいです。手の形の拍手ボタンからメッセージをくださる場合は五百文字以内、文字の方の押し葉ボタンからメッセージをくださる場合は千文字以内となっております。文字数制限なくお便りくださる場合には、下のメールフォームをご利用ください。

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク

最新記事

月別アーカイブ

カテゴリ

未分類 (0)
暮らし (110)
仕事 (161)
家族 (300)
想 (23)
友 (47)
学習 (79)
旅 (16)
心身 (8)

FC2カウンター

検索フォーム

FC2Ad

Template by たけやん