みそ文

おやつに注意

私が通う職場では、更衣室の扉の前に、買い物カゴがひとつ置いてある。カゴにはメモ用紙が貼ってあり、「ご自由にどうぞ」と書いてある。普段は何も入っていない。でもときどき、期限の切れた商品は廃棄処分にするけれど、期限切れ間近の商品で、見切り販売できないものや、期限は大丈夫なんだけど、返品もできなくて、いろんな事情で販売できなくなった物を、在庫上はゼロと計上した後に、でも捨てるのはもったいないから、職員なら持ち帰ってもいいよ、と、いうことになったものが、このカゴに入れてある。

ある日出勤してみたら、そのカゴの中に、アーモンドか、ピスタチオか、小袋に入ったものが、いくつか、ざくっと入っていた。今日は作業で体をたくさん動かす予定だし、お腹がすきそうだな。夕方休憩時間のときに、まだカゴに残っていたら、一つもらっておやつにいただこうっと、と、なんとなく嬉しい気持ちで、白衣に着替えて仕事を開始。

夕方休憩時間になって、休憩室に行く時に、カゴの中を見てみたら、中身が全然減ってない。あれー、めずらしいー。夕方までのアルバイトさんもパートさんも誰も持って帰らなかったんだー。じゃあ、ひとついただこーっと。一袋つかんで休憩室へ。一袋、といっても小さい。飛行機に乗ったときに、ドリンクサービスでアルコールを頼むと自動的についてくるおつまみの袋の大きさくらい。おっやつーおっやつー、と歌いながら、休憩室までの階段を上っていく。これくらいの大きさがおやつにはちょうどいいんだよねー、と思いながら、威勢良く袋を開ける。

その瞬間。むむ、これはナッツのニオイとはちがう! ついでに言うなら、人間の食べ物のニオイともちがう!!

そこでやっと、袋の表示を見てみる。「モンプチ」。うう。ペット用のスナックだったか。しかし開けてしまったとは言え、食べるわけにはいかないよ、なあ。いや、食べられるか、と、しばし、まじまじと見てみるが、やっぱり食べない方がよさそうだ。「ごめんなさーい」と一人で大きくつぶやいて、紙で包んでゴミ箱へ。食べてないけど、ご馳走様の手も合わせる。開けてなければ、カゴにそのまま返せたのに。ああ。だから。誰も、誰一人、持って帰ってなかったのか。

教訓。食べ物は、食べる前に、開ける前に、外装表示をよく見ること。

という話を夫にしたら、「今度また持ち帰り可のカゴに動物用食品があったら、もらって帰って来て。いま会社で現場のおじちゃんたちが、工場の隅っこで、ネコを飼ってるから」と言う。ああ、それなら、紙に包んで捨てたやつも、捨てずに持って帰ればよかったよ。と思ったけれど、仕方ない。またこんど。またこんど。     押し葉

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どうやらみそ

Author:どうやらみそ
1966年文月生まれ

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