みそ文

ぼくのサイン

 昨日はこの季節限定の「いもきんつば」を買いに行き、その帰りに豆腐料理屋さんでお昼ごはんを食べるお出かけをしようということになった。
 いもきんつばは相変わらずおいしくて、特に店頭で食べる焼きたてホクホクは格別で、ちょっとがんばってここまで来てよかったね、とにこにこしながら帰路につく。

 豆腐料理屋さんでは「精進御膳」を注文した。胡麻豆腐二種食べ比べに始まり、豆腐と湯葉のお刺身、生麩の田楽、おからのコロッケなどで構成されている。英語のメニューには vegitarian set と書いてある。このメニューはベジタリアンセットとしてはなんら問題ないのだが、この「精進御膳」のおからには葱が入っており、コロッケにかけてあるソースには玉葱のみじん切りが入っている。その他にもいろいろ五葷要素があったため、私が食べられないものは夫に食べてもらったり、味噌汁(薬味に葱が入っていた)は葱を入れていないものに交換してもらうなどの方法で対応したのだが、精進なのに五葷が使ってあるとは思わず五葷抜きリクエストを注文時にしなかったのは場所が永平寺のすぐ近くだからと思ってつい油断しちゃったね、と夫婦で学習した話はさておき、会計時に夫がクレジットカードを使ったときの話。

 食事を終えて会計するとき夫がクレジットカードで支払ってくれると言うので「じゃあ私は現金をどうやらくんに渡すね」と言って少し離れたところで待つ。少し長めの時間がかかったものの無事に会計を終えた夫が出て来て私は夫に「ありがと。おいしかったね」と言いながら現金を渡す。そのまま私は豆乳ソフトクリームを購入する。車に乗り私は助手席でソフトクリームを食べ終え、その豆乳豆乳した味わいに満足する。夫が「さっきクレジットカードで支払うとき」と話し始める。

「さっきクレジットカードで支払うとき、レジしてくれたおにいちゃんがクレジットカードの機械の使い方がよくわからんかったみたいで先輩のおねえさんに来てもらって結局はまあできたんだけど」
「できたんだけど?」
「そのおねえさんが『じゃ、あとはサインもらってね』ってレジを離れて、機械からクレジットカード利用しましたよの紙が出てくるじゃん」
「うん、出てくる」
「そしたらそのおにいちゃんがお客様用控えは一応くれたんだけど、他の紙をそのままレジに入れようとするから『サイン要りますよね』って言うたらおにいちゃんが『サインですか、ええとどこですか』って言うて、おれがにいちゃんの手にある紙の署名欄を指さして『ここです』って言うたら、にいちゃんが『ぼくのサインでいいですか』って言うた」
「えええええ」
「『いやそこはクレジットカードの持ち主が署名するところなんで』って言ってもなんかよくわかってなかったみたいだけど、ペン借りてそこにサインしてきた」
「支払金額は正しい金額だった?」
「うん、それは大丈夫。ちゃんといくらいくらだった」
「ここの機械は暗証番号を押すタイプじゃなかったんじゃね」
「うん」
「ええと彼はクレジットカードの機械の取り扱いに慣れていないというだけじゃなくてクレジットカードの仕組みそのものを知らない、の、か、な」
「さあ、どうやろう、領収証かなにかと勘違いしてるんかなあ」
「ここのお店ではクレジットカードを使うお客さんが少ないんかもしれんね」
「うん、レジのところにもクレジットカード使えますとは大々的に書いてないし」
「でもそのおにいちゃんが『ぼくのサインでいいですか』って言うたときにどうやらくんはすかさず指導者のおねえさんを呼んで『おねえさーん、ちょっと来てくださーい、このおにいさんがへんなこと言いますー』って伝えてあげたほうが親切だったんじゃないかなあ」
「にいちゃん、クレジットカードの意味と使い方とレジでの対応がわかるようになるといいなあ」

 とここまで書いて思ったが、私達のテーブルの給仕とレジをしてくれた青年はいまどきの若い男の子であったから、もしかすると、支払いに使うカードといえばあらかじめチャージしてあるカードをコンビニのレジ等でかざすだけのものしか知らない、ということも考えられるかなあどうかなあ。     押し葉

山の日本語表現

 夫は山に行くにあたって山ブログを参考にする。夫自身はブログはまったく書かないが、今度どこかの山に行こうと計画するとその山に最近登ったひとのブログを読む。そこに書かれている情報、たとえば数種類あるうちのどの登山道はどんな様子でどれくらいどんなふうに整備されていたかであるとか、寒い時期なら積雪がどのくらいでどの程度の冬装備が必要だったかといったことを参考にして心構えと支度を行う。
 そして山から帰ってきたらその日行った山に関するブログを読んで復習をする。あんなふうに予習本番復習を繰り返すと上達が早くどんどん上手になるのだろうなと思う。夫がその日の山から帰宅してまだ数時間後に「うわ、このひと、今日おれが行った山にいたいた。すげー、もう今日のことアップしてる」と書き手さんの早業に感心していることもある。

「ねえ、どうやらくんは全然ブログ書かんけど、そうやって人様が書いたブログを読んで参考にして恩恵を受けているわけじゃん。どうやらくんがなにか山の世界に還元しているものというか、そこで受けた恩を別の形にして循環させていることってなあに?」
「うーん、なんやろうなあ」
「あ、そか、どうやらくんは山からおりてくるときにゴミ拾いながら歩くって言ってたから、それかな」
「ああ、ゴミは拾う」
「どんなゴミが多いん?」
「多いのは飴の個包装の袋かな」
「ああそれは、ポイと落として捨てるひともいるんだろうけど、捨てるつもりなくグローブでうまくつかめなくてふわーっと風で飛んでいって見失うことなんかもありそう」
「おれは自分が食う飴の袋はちゃんと全部持って帰るけどな」
「ゴミ拾いは山全体に対しての恩返しの一部なかんじだけどそれ以外になんかその書き手さんたちに還元するようなことってしてる?」
「現地で会ったら声かける」
「え? 書き手さんの顔おぼえてるん?」
「ううん、顔は全然おぼえてないけど、着てるものとか装備の組み合わせがそのひとのブログに載ってる写真と同じことが多いからだいたいわかる」
「うわ、そんなとこ見ておぼえてるんだ、すごいな」
「で、『あの、もしかして、なになに、っていうブログ書いてる方ですか。いつも参考にさせてもらってるんです。いろいろ詳しく書いてくださってありがとうございます』って声かける」
「それは相手のひとは喜んでじゃろう」
「うん。むこうも『わあ、読んでくれはってるんですか、ありがとうございます』って言わはるし、おれがそのときに登ってそのひとに声かけた山の記録をすぐにブログに書いて『今回は自分のブログを読んでくれているひとが声をかけてくれました。むっちゃうれしかったです』っていうようなことを書いてはるから、見つけて声かけられるときは声かけることにしてる」
「それは還元で循環なかんじがするね」
「じゃろ。あとブログを書いてるひとがブログにつけてる『押して』関係のポッチはとりあえずなんぼでも押すことにしてる」
「おお、えらいえらい」
「とりあえずそれくらいかな」
「うん、それくらいしててよかった」

 昨日夫が登った山にはもう雪が積もっており雪山遊びをしたい人たちで賑わっていたそうだ。中には「もうこんなに雪が積もってるとは思っていなくて雪道を歩く装備をせずに来たから今日はここまでで撤退します」と帰って行ったひとたちも何人かいたらしい。夫は現地で会った他のひとから「わ、ピッケルまで持ってきてるんですか、雪対策万全ですね」と言われたが昨日の雪ではまだ全然ピッケルは必要なくて「これは飾りです」と応えたという。

 冬になると夫はわりと近くの特定の山に好んで通う。その山は積雪の時期に登るとお手軽雪山感覚が殊の外楽しいらしく県内外からそんなに多すぎない人々がやってくる。夫はスノーシューでポフポフ歩く遊び専門だが、山登りも好きだけどスキーも好きというひとはスキーを担いで登ってスキーで滑り降りるという遊び方をするのだそうだ。私の職場の先輩の配偶者は冬はスキー登山をするひとで、どうもその先輩のご主人と夫は冬になると同じ山に同じ時間帯にいることがあるようなのだ。だから夫に「もしも山でそういうスキーのひとに会ってたまたま話したひとの名前がなになにさんっていうひとだったら私の職場の先輩の旦那さんの可能性があるからね」と伝えた。すると夫が「わかった、つれなくせんようにしとくわ」と言うので「どうやらくん、ちがうよ。つれなくしないんじゃなくてそこは『失礼のないように』してほしいの」と適切な表現に訂正しておいた。     押し葉

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どうやらみそ

Author:どうやらみそ
1966年文月生まれ

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