みそ文

紡ぐ力

 3週間ごとのハーセプチン単独療法、順調にいけば、あと3クールで、1月中旬までには終わる予定。それが済んだら、フェマーラの内服を始めて、10年間続ける。
 ハーセプチンが終わったら、そして体からハーセプチンが代謝されて抜けたら、もう少し自由に言葉を紡ぐ力が湧いてくるかな、そうだといいな。     押し葉

生命エネルギー

生命エネルギーの充電を続ける。     押し葉

少しずつ

ゆっくりと地道に気長にぼちぼちと。     押し葉

充電

充電中。     押し葉

タイトルなし

メンテナンスのみ     押し葉

今度は自律訓練法

鋭意療養中。     押し葉

赤ちゃんに背もたれ

 昨年の夏から電動ベッドをレンタルしている。副作用で吐き気が出ても、背もたれをあげて上半身を高くしていると吐き気が緩和される。逆流性食道炎で気持ちがわるくなるかな、という状態でも、背もたれをあげてもたれていればわりとらくにやり過ごせる。

 背もたれにもたれながら、この背もたれは、もしかすると、赤ちゃんもほしいんじゃないかな、と思う。
 赤ちゃんを抱っこしている間は気持ちよさそうに寝ているのに、寝床に横たえると泣く、という現象を時々話に聞く。もしかすると赤ちゃんも体を平坦な場所に横たえると体に不快をおぼえることがあるのではないだろうか。
 おとなが赤子を抱いている時は、頭に手を添えて縦に抱くか、横に抱いても頭は高い位置にあるかなのに、ベビーベッドやお布団はあまりにも平坦だ。
 赤ちゃんの体は生まれたてで新品で、食道の弁も新しくてよく機能するだろうとは思う。でも赤ちゃんはおっぱいやミルクを飲んだ後、背中をとんとんとたたいて、げっぷをするのを助けてやらなくてはならない。ということは、食道や胃腸の働きも、新品とはいえ、そんなに自由なわけではなくて、おとなよりもずっと、ちょっとしたことで不調や不快をおぼえるのかも。
 
 背もたれを斜めにすることで、赤ちゃんも、逆流性食道炎の人も、いろんな理由で吐き気がある人も、その他体が水平な状態では何かがらくでない人も、寝床の背もたれを少し高くすることで、らくに過ごせるのであれば、そうできるようになるといいなあ。     押し葉

金曜日は女性の日

 3月13日金曜日。白血球2000。予定通りタキソール+ハーセプチン療法11クール目を行う。
 副作用の胴体の痛みは相変わらずか、これまで以上にある。
 手足のしびれは、以前は軍手を二枚しているような、靴下を二枚重ねで履いているような、厚みのあるしびれだったのが、牛車腎気丸の服用でしびれの厚みが薄くなった。手のしびれは薄手のシルク手袋くらいの厚みで、足のしびれも薄手の靴下くらいの厚みに減少。このしびれがなくなるまでには、数か月、あるいは数年、もしくは一生、かかるかもしれないけれど、これくらいなら許容範囲として、12クール目まで完遂する方向で考える。
 もしも、11クール目と12クール目の間に、しびれが許容範囲とは思えないレベルに悪化すれば、12クール目をあきらめることも考えよう。

 3月20日金曜日、春分の日。祝日のため化学療法はお休み。
 化学療法が金曜日で固定されているのは、化学療法室が金曜日をレディスデイにしてあるため。女性特有のがんの人は、金曜日にしておくことで、化学療法室内にひとつあるトイレを女性だけで使用することができて、点滴前の問診や相談事など、女性特有の話でも男性患者さんの存在を気にせず気兼ねなくできる、というメリットがあるのかな。
 11クール目までの蓄積があるからなのか、11クール目終了後まもなくから、頭髪が再び激しく脱毛して、頭皮があらわ。

 3月27日金曜日。12クール目。白血球2300。
 しびれはまだあるものの、牛車腎気丸の服用でしびれの厚みが薄くなっている状態に変わりなく、12クール目を行うことに。
 牛車腎気丸服用でしびれの厚みが減少したのもありがたいが、排尿を頻繁にしなくてもよくなったのがたいへんによい。夜中にトイレに行かなくてもよく、点滴中に点滴台ごとトイレに行くのも服用前に比べると回数が少なくなり、畜尿に余裕ができたかんじ。排尿回数が少なくなったぶん、一回あたりの排尿量は多くなっているような、尿の質が適正になっているような。膀胱がこのかんじだと、たとえば長距離運転をする時に、トイレ休憩をそれほど頻繁に取らなくても、ああ、またトイレに行かなくてはと気を煩わせることなく、気楽に移動ができそう。

 4月3日金曜日。ハーセプチン単独療法1クール目。全13クールのうちの1クール目。白血球2500。
 これまでのタキソール+ハーセプチン療法は、点滴だけで4時間、点滴終了後1時間の待機時間(溶解液のアルコールを代謝するための時間)が必要だったが、今回からは点滴時間は2時間と短くなった。待機時間も必要ない。
 ただし、これまで毎週だったのが、3週ごとになるので、一回あたりの薬剤量はこれまでの3倍に増える。
 ハーセプチン療法は、毎週行っても、3倍量で3週ごとに行っても、効果は同等とされている。
 今回から窓口負担は、3割で約三万五千円。自分の体の中には今、総額で約十万円強の医療費が流れているのだと思いながら、換金はできないけど、だいじにそっと気をつけて帰ろう、と思う。

 長い文章を書くのはまだあまりらくでないかんじなので、とりあえず記録のみ。     押し葉

折り返してからその後に

 2月14日、白血球1800で7クール目実施。
 タキソールの副作用のしびれがひどい場合には、12クール全部せずに途中でタキソールを中止してハーセプチン単独に移行する選択肢もあることをあらためて聞く。
 しびれの副作用は、タキソールを中止してもその後長年にわたり、場合によっては生涯、末梢神経障害として残るケースが少なくないらしい。補助化学療法はあくまでも補助であるのだからして、副作用を我慢しすぎるのもよくない。
 もちろん12クールすべてできればそのほうがよいのだけれども、途中でやめたからといって、効果が不十分かというとそういうわけでもない。そもそも本来の12クールを全部したからといって、再発転移を抑えられるのかというと、そうだといいね、ということで行ってはいるものの、実際は必ずしも完全に抑えられるわけではなく、再発転移をするときにはする。
 その、そもそもからして、そんな治療って、いったいもうなんだかなあ、という側面が私の中にはある補助化学療法で、用いる薬を途中でやめてもよいのであれば、それならいっそ最初からやりたくなかったってことにならんか? そんなん薬としてどうなんよ? という気持ちになってくる。
 手足のしびれも自分の体において、どの程度だと一生残って、どの程度だと消えるのに数年かかって、どの程度だともっと早く消えるのか、どこまで耐えて、どこで勇気ある撤退をするのがいいのか、見当がつかない。
 ただ、人によってはしびれがひどいと、ボタンを留められない、箸を持って食事ができない、字が下手になる、などということもあるらしいが、そういうのに比べると、私の場合はそこまでではなく、しびれの手袋をつけてしびれの靴下を履いている感覚で、そのしびれの厚みが厚くなったり薄くなったりする、という状態で、そこまでひどくはないのかな、と思ったり。
 そういうわけで、タキソールの継続と蓄積によるしびれがひどくなるようであれば、中断も考慮しながら、副作用を観察していくこととする。

 2月21日、白血球1800で8クール目実施。
 血液検査の結果を見て、白血球と好中球の値が前回と全く一緒ですね、と先生に言われて「ほんとですね、同じ人みたいですね」と答えたが、どう考えても考えなくても同じ人で同一人物だよ、と後から思う。

 2月28日、白血球1700で9クール目実施。
 全12クールを折り返した後、9クール目までくると、できるのなら12クールまで全部したいよね、という気持ちが湧いてくる。しかし、かといって、しびれの副作用が一生残るのは避けたいし、何年も続くのも避けたいし、今現在のしびれをこのままこのレベルで耐え続けるのもよくないような気がする。
 胴体と鼠径部と足裏の痛みも相変わらずだけど、ロキソニンテープとスミルスチックと芍薬甘草湯の頓服でまあまあ対応できている。
 対応ができていないのは、しびれと、両目の見えづらさと、右目の違和感、かな。
 ん? しびれと目の見えづらさといえば、そして痛みを伴うといえば、そんなときには牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)? 牛車腎気丸の効能効果では「目のかすみ」という表現で、私の場合は「かすみ」ではなく、うろうろっとした見えづらさではあるのだけど、視機能調整という意味では仲間なのでは? これまでこの漢方はどちらかというと年配の方向けのイメージで、自分で試す機会が全くなかったけれど、もしかするとこの機会に試すのもありなのでは? どうして今まで思いつかなかったんだろう。
 
 3月6日、白血球1700で10クール目実施。
 診察時に牛車腎気丸を希望し処方してもらった。これでしびれや目の見えづらさや目の違和感がどのくらいどうなるか観察してみたい。点滴後4日くらい続く両脚のだるい感覚も牛車腎気丸を服用することで気にならなくなるといいなー。
 ロキソニンテープとヒルドイドソフト軟膏も処方してもらった。胴体や鼠径部や足の裏の痛みはロキソニンテープ貼付とスミルスチック塗布と芍薬甘草湯の頓服で、手足症候群の予防と対策はヒルドイドソフト軟膏で対応する。
 手指の先が割れる症状はサレックス軟膏(アンテベート軟膏のジェネリック)で治ってからはならなくて済んでいる。今はもうサレックス軟膏なしで、ヒルドイドソフト軟膏だけのケアでまあまあの状態が保てていると思う。ヒルドイドソフト軟膏よりももう少し軽く伸びるものを使いたい時には、職場でもらった試供品のヘパリン泡スプレーを使っている。

 今日は白山の人と3週ぶりに再会した。白山の人は6クールまででタキソール+ハーセプチン療法をやめ、現在はハーセプチン単独療法中だが、一ヶ月経っても二ヶ月経っても手足のしびれは続いている、とのこと。「手がしびれているせいで、お札をペラペラペラペラっと指先で数えることができなくなって、一枚ずつ、いちまい、にまい、って置いていかないといけなくてね、まあそれでなんとかなるけど不便よー」とのこと。しびれだけでなく胴体腹部がピクピクチクチクするような痙攣痛も未だにあるとのことで、「ええー、タキソールやめても、しびれだけじゃなくてそれもしばらく残るのー? くー、きびしいですねえ」と話す。残念な情報ではあるが、あらかじめそういうケースもあることを知っていると心構えができてありがたい。

 白山の人が「北海道に住む息子に『そちらはコロナは大丈夫?』って電話したら、『若くて元気な息子や孫のことを心配するよりも、がんの治療で弱っている自分のことを気にかけなさい』と言われたのよ」と話してくださる。
「それはごもっとも、おっしゃるとおり」
「あはは、そうよねえ。それでね、息子が、私の治療が落ち着いたら旅行に連れてってくれる、って言うのよ」
「わー、それはいいですね。どこに連れて行ってくださるんだろう」
「ス、イ、ス」
「スイスですか。え、もしかして山?」
「そうなの。まあ、そんなに高い山じゃないんだけどね」
「でもでも、あっちのそんなに高くない山は、いうてもけっこう高いでしょう」
「いやいや、息子は私ほどに登れるわけじゃないから、まあハイキングくらいの山やね。ツアー旅行のコースの一部だし」
「ああ、楽しみですねえ」
「うん、ふふふ」
 息子さん、すごいなあ。息子という立場で、母親の趣味の分野の旅行に誘ってくるとは、なんてツボをついた親孝行。息子とのスイス旅行と現地での山歩きのことを想像して、楽しみなことを待つ気持ちがあれば、通院も、点滴も、副作用のしびれと痛みで家のことはあんまりできなくても山には行けるという日々も、はるかにらくに、そしてウキウキワクワクと、やり過ごせることだろうと思う。

 次回11クール目は3月13日で、その翌週3月20日は祝日のためスキップ休憩し、3月27日に最終回の12クールを行う予定。白血球が機嫌よく数値を保ち、できればちょうどよく上昇してくれて、体調全般がそれなりに良好だとうれしいな。     押し葉

白血球のいうとおり

 先週、1月31日の金曜日は、白血球1500と低く、さらに好中球が50%に満たなかったため、6クール目は行わず延期となった。タキソールの副作用で脇腹腹部鼠蹊部がこむら返りっぽく痛くて、こんなに痛いのに次の薬を入れたらさらに痛いよね、と思っているところはあったから、一週間延期になって、体がちょっと休憩できたのはよかった。

 今日、2月7日金曜日は、白血球1800、好中球50%と、低いのは低いけれども、まあ実施できる数値、ということで、6クール目を行った。

 これまで胴体のこむら返り痛用にロキソニンテープやモーラステープを貼っていたら、連日の貼付に皮膚が耐えられなくなったようで、かゆいだけでなく、赤くぶつぶつざらざらになってかぶれたため、現在は貼付休止中。しかし貼らないと痛い。芍薬甘草湯だけでは効果の持続時間が短い。カロナール500mgを追加しても、貼付薬ほどには効果が持続しない。それなら、かぶれないように塗り薬を使うといいのかな、と思い、診察時に相談したら、スミルスチック処方となった。

 スミルスチックの成分はフェルビナク。そういえば、フェルビナクのテープ剤を貼ると、咳が出る体質だったよなあ、貼付薬は持続して薬が入るから咳が出るのかな、そんなに長時間持続しない塗り薬なら咳は出なくて済むかな、済むといいな。

 皮膚が貼付薬を拒む間はスミルスチックで対応し、スミルスチックの成分フェルビナクに反応して咳が出るようであれば貼付薬に戻して、皮膚や咳と折り合いをつけながら、使い分けつつ痛い時期を通過したい。

 今日の診察で先生から、タキソール+ハーセプチンは12クール全部できるのがいいのはいいのだけれども、タキソールの副作用が長く激しく続くようであれば、12クールの途中でタキソールは終了することもあります、という話をされた。白山の人がそうされたように、タキソールだけ先に中止して、ハーセプチン単独療法に移行する可能性は私にもあるのかも。

 それにしても、白血球や好中球というのは、食事や気合や節制で増やせるわけではなく、目安が自覚できる体の兆候があるわけでもなく、ただひたすらに体にお任せするしかない、というのが、相変わらずなんとも不思議。

 以前、白山の人は5クール目の当日、腹部こむら返り痛の副作用のつらさに疲れて、「診察の時、先生に、大袈裟に演技して、『5クール目延期したいです、一週休憩したいです』って頼んだけど、『んー、でも、あまりにも血液検査の結果がいいから、やるのはやりましょう。芍薬甘草湯は処方しておくから』って言われて、中止してもらえなかった。もう少し白血球が低かったら私の言葉にも説得力があったのに」と残念そうに話しておられた。
 それでも、その翌週には、「今日の6クール目で、タキソールは最後にしてもらえることになった」とはつらつと晴れやかに喜んでおられたから、今頃はもうタキソールの影響が減って、腹部こむら返り痛もなくなって、週3ペースくらいで、元気にお山に登ってらっしゃるだろうと予想する。
 
 コレステロールや血糖値や血圧などを食事や運動でコントロールできるみたいに、いつの日か、白血球もどうにかして、日常生活の中でコントロールできるようになるかなー、なるといいなー。     押し葉

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どうやらみそ

Author:どうやらみそ
1966年文月生まれ

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